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この一年間を振り返ってみると、不安の多い、心配の続く一年間でした。この石垣市では、観光客が非常に増え、、七十万人の観光客を数えようとしています。これは石垣市の観光はじまって以来の良い記録で、この事については観光関係者をはじめ多くの方々から評価を頂いていますし、また、様々な民間また行政の観光関係者の皆様を含め努力の結果であろうと思います。このように観光立市いしがきで観光客数が大きく伸びているということは、今後も更に期待と自信を持ちながら、観光地石垣市づくりに力を入れたいと思います。また、畜産業なども好調であり、現在ひと月に二日間セリ市を行っていますし、またサトウキビもそろそろ操業で、石垣島製糖社は工場を改装改築し新たな操業体制を整えようとしています。このように第一次産業や観光業は大変好調でした。しかし、一方で公共工事は相変わらず低迷をしており、建設業界関係者においては、厳しい一年であったと認識しています。しかし、そういう中で行政と市民が手を結び、この一年間を過ごしてきました。このような形でぜひ市民とのさまざまな協力のもとに、また新しい年を迎えていきたいと思います。
一方、世界に目を向けると、なんといってもイラクの事で、この一年間心配や、大変つらい情報等を聞きながら一年間を過ごしてきました。一向にイラクの戦闘は収まらず、なお一層混迷を深めているというのが多くの見方です。ブッシュ大統領が五月に戦争は終結したと宣言し、早七ヶ月が過ぎましたが、米兵の死傷者はそれまでの戦闘状態の時よりもさらに多く、五百名を超えています。またイタリアやスペイン等同盟国も四十名程の死傷者を出しています。そしてついには十一月二十九日に日本の外交官が殺害されるというような事態にまで発展をしたわけです。今のイラクの状態は、新たな政府が誕生したわけではなく、米英軍の占領状態になっています。このような軍事占領下の状態が続いており、さらにテロが起きるなど、安全なところは全く無いといわれていながら、十二月九日、大変残念なことに日本政府の閣議決定で、イラクへ自衛隊を派遣する基本計画を承認したことは、大変ショックを受けています。イラクの復興支援は、七月に国会でイラク支援特別措置法が通過したので、いずれ派遣ということは予想されていましたが、現在安全の保証がないイラクに果たして自衛隊を派遣すべきかという点で様々な論議がされています。しかし小泉総理はどうしても派遣するという強い姿勢を討ちだしています。ところがNHKの世論調査による国民の考えはというと、イラクへ早く送った方が良いという答えは、一七パーセント程度にとどまっています。反対に、治安が回復した後に人道上支援のために送るべきだというのが五三パーセント、自衛隊をイラクに派遣すべきでないという意見が二八パーセントです。合計すると送るべきではない、または治安が回復してから送るべきだという回答がなんと八一パーセントも占めています。また、自衛隊をイラクへ派遣しないほうがよいという人たちの意見の内訳は、日本がテロに巻き込まれる恐れがあるという理由が三七パーセント、自衛隊そのものが戦闘に巻き込まれるが三〇パーセント、アメリカやイギリスに追従するだけではよくないが二八パーセントです。このように国民の圧倒的多数が反対、あるいは今はダメだということをはっきりと言っている中で、なぜ小泉内閣は危険なイラクに自衛隊を派遣しようとしているのか理解に苦しみます。石垣市からも自衛隊へ大勢の方々がいっておられます。そういう自衛隊員の家庭の不安、あるいは当事者の心配というものは私たちが想像して余りあるものがあります。県内の各首長、基地所在の首長たちの意見が、県内の新聞に報道されており、どの市長の意見を聞いても今派遣すべきではないというのが現状で、沖縄県知事も同様な答えをしています。今のイラクは無政府状態、または占領状態であり、そこに自衛隊が赴くということは、少なからずこの軍事占領状態を支持するということになるわけです。従って戦闘に巻き込まれたり、予想しない武力による衝突があることは当然考えなければいけません。そういうことは十分に予想されることであり、そんな処へあえて自衛隊を送るという今の小泉内閣の姿勢に、私たちは大きな疑問を持ちます。
また、そのような行為を果たして日本国憲法が認めているかというと、憲法に照らし合わせても大いに疑問を持たざるを得ません。小泉総理は、憲法の前文を唱え、日本の地位を国際的にも名誉あるものにしたいとしていますが、これは憲法を愚弄するものであり、本来憲法は、武力を用いない解決で国際的地位を得ることが日本の名誉ある地位ということを唱っているのです。どうみても軍隊である武装した自衛隊をイラクに派遣するという事は、外国から見て、明らかに戦争地域に戦闘行為に行くと映っても仕方のないことです。
十二月十五日から一年間という派遣計画を国が承認し、いつ頃派遣になるのかわかりませんが、今の状態で派遣する事に対しては国民の八割が危惧し、心配しています。さらには総理経験者の宮沢元総理自身が、今の自衛隊をイラクへ派遣する事は大変問題であると発言されています。
そういう中で、新しい年になると、一体どのような世界情勢になるのか非常に気になります。今後とも、私たちは平和な世の中をつくっていくべきですし、国際連合という世界の国々が参加した機関のなかで力を合わせてイラク問題を解決してこそ、最も正しい解決ではないかと思います。来年、良い平和な年を心から望みます。
平成十五年十二月十日に放送された「市長のおはようロマンメッセージ」要旨です。
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