平成13年度(2001年度)施政方針
は じ め に
今、新たなる飛躍と発展の新世紀の扉が開かれました。
私は、21世紀の幕開けを次代を担う若者とともに迎えることを体験し、さらにミレニアム記念植樹祭に臨んでは、市民皆様による新たな胎動へのカウントダウンの声に、石垣市発展への熱い想いを共感することができました。世紀の変わり目に市政を預かる者として、その責務の重大さを改めて感じたところであります。
本日、平成13年第2回石垣市議会定例会の開会に臨み、市政運営に関する私の所信の一端と主要施策についてご説明申し上げ、市民皆様をはじめ議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
ご承知のとおり、昨年度は第2次石垣市総合計画の目標年度でありました。計画期間中は「個性的な空間づくり」「市民生活を通しての活力づくり」「豊かな未来を創出するために」などの基本政策に基づき、様々な施策を展開し、多くの成果を収めることができました。
来年は沖縄の本土復帰30周年を迎えることとなりますが、この間、国営ダム等産業基盤、教育施設等諸々の基盤整備が鋭意進められ、ことに天水に頼る農業の頃を思うとき深い感慨を覚えるものです。
しかしながら、島しょ県のさらに離島圏域に属する本市では、空港、港湾、都市公園、道路、情報通信基盤、水源確保など公共インフラ整備に未だ格差があることを指摘せざるを得ません。従いまして、今後とも継続して社会資本整備を促進する必要があります。
一方では、本市のみならず世界的な財産とも言うべき周辺海域のサンゴ礁への赤土流出等による生態系への影響は、もはや看過できない状況となっており、今こそ事態打開のため行政、市民、事業者が一体となって英知を結集していく必要があります。
この間、全国の離島地域で過疎化が進むなか、我が石垣市は総人口がゆるやかながら着実な伸びをみせるなど、倦まずたゆまず日々生成発展を遂げてまいりました。
さらに、この二十数年来八重山圏域の悲願であった新石垣空港建設問題について、建設位置選定委員会において地元主体の議論と総意に基づいて「カラ岳陸上案」に位置決定いたしました。永年の課題を20世紀中に解決できたことを大きな誇りとするものであり、新たな世紀に夢と希望をつなぎ、新時代の地域経済を支える礎とすることができたことを市民皆様ともどもに喜びたいと存じます。
また、そのことは本市の将来に大きな自信を与えるものであり、この千載一遇の機会に不退転の決意で臨み、早期建設へ向け全力を尽くしてまいります。
これまで本市の基盤づくりにご尽力いただいた幾多の先人の偉業と市民皆様のご努力のたまものであり、関係者の皆様に対し心から敬意を表するとともに感謝を申し上げます。
さて、13年度は、これら実績を踏まえて新たな目標や課題にさらに強力に取り組むべく「光と風 ゆめみらい交流都市いしがき」の実現をめざした“いしがき新時代”の礎を築く「第3次石垣市総合計画」がスタートいたします。
本計画の「美しゃ」「結い」「世ば稔れ」という基本理念に基づいた施策の展開は、本市の振興発展に大きく貢献することを確信するものであり、全力を傾け推進してまいる所存であります。
また、本年度は総合計画の円滑な施策展開に向けて、企画開発部並びに農林水産部の新設を含む5部体制の新たな行政機構が発足いたします。今後とも時代潮流の変化と市民ニーズに即した「市民に身近で親しみのもてる行政」をめざし、鋭意努めてまいります。
さらに、本年度は、私の公約である「総合保健・医療・福祉センター(仮称)」がいよいよ実現いたします。市民の健康を守り、「健康都市いしがき」をめざす活動拠点として、保健・医療・福祉の連携の理想像、モデルケースとなる活動が実践できるよう、最大限に活用してまいります。
私が市政を担当して今日まで、一貫して提唱している「健康都市いしがき」づくりは、地道で息の長い、たゆまぬ施策の推進が必要です。
子どもを安心して生み育てることができ、老いも若きも障害者も障害をもたないものも誰もが健康的な生活を享受し、安心して暮らせるバリアのない石垣市、生きがいと安らぎのなかで生涯をおくることのできる健康・長寿社会を実現したいと存じます。
このため、各種事業や活動の拠点となるセンターの開設に合わせ、市民参加のうえで「いしがき健康都市宣言」「いしがき長寿者憲章」(仮称)の制定を検討し、人も、まちも、そして島も元気な石垣市づくりを進めてまいります。
これらの施策を支えるため、本年度は、保健・医療・福祉の連携の機能的な体系化に努めるのをはじめ、より充実した市民サービスを提供するため総合窓口化を検討してまいります。
21世紀の新しい社会は、市民や事業者などパートナーの皆様と行政がともに汗を流し、知恵を出しあう「協働」によって生まれるものです。まさに「協働」は、新世紀を切りひらく時代のキーワードだといえるでしょう。
そのため、従来の手法の見直しや、新たに市民との協働による施策展開や、市民サービスのあり方について検討を加えるとともに、新行政改革大綱を策定し、事務事業の見直しなど全庁的な行政改革を進めることといたします。
私は、市長就任以来、常に市民の立場に立ち、市民主体の石垣市を創るべく、市政運営に努めてまいりました。変革の時代にあって、今後とも一貫して「公正・健康・思いやり」を市政の基本理念に日々邁進し、新時代の新たな行政課題への対応について、全力を傾けてまいります。
次代を担う子どもたちのために、新世紀の石垣市が「光と風」そして「ゆめ」と「未来」が交錯する、希望に満ちたまちとなるよう、常に将来を見据えた施策を周到に計画し、これを着実に実践してまいりたいと存じます。
次に、13年度の主要施策について、総合計画の施策体系に沿ってご説明申し上げます。
1.や す ら ぎ
本市の誇る豊かな自然環境は、市民共有の世界的な財産です。価値観の多様化が進み“もの”に豊かさを求める時代から“心”に豊かさを求める時代へと変化しつつあり、美しい自然とゆるやかに流れる時間のなかでゆったりと暮らす、ゆとりある生活を実現することが求められています。
私たちに多様な恩恵をもたらす、この豊かな自然環境を次世代へ引き継ぐためにも総合的・計画的に保全していかなければなりません。
石垣市は、貴重な自然環境を保全することを前提とした地域振興をめざします。
自然と共生するまちづくりのために
赤土等の流出による河川及び海域の汚濁が深刻な問題となっています。主要河川の宮良川、名蔵川、新川川、轟川それぞれの流域や、農地から土壌養分を含んだ表土が流出しています。
これらのことから、本市では官民一体の「石垣島周辺環境保全対策協議会」を組織し、流出状況の監視や防止対策の実践等に取り組んでまいりましたが、抜本的な改善がなされていない状況にあります。
また、各経済団体や監視活動を行っている市民団体などが新たに「石垣島赤土流出防止協議会」を立ち上げ「赤土問題を考える市民集会」を開催するなど、全市民的に危機意識と市民運動への機運が高まりつつあります。
従って、これまでの啓発、指導、パトロール等を継続強化すると同時に、市民との協働による取り組みを強化し、公的整備など抜本的な対策を求めて積極的に取り組むことにより赤土等流出防止対策に努めてまいります。
さらに、本市のスタンスを明確にし、対策を強化するため、本年4月の機構改革で地域振興室自然保護班を新設するとともに、流出防止対策について条例制定に努めてまいります。
また、本市の河川流域の特性であるマングローブ保護については、名蔵アンパルのラムサール条約保護区域登録をめざし、環境保全に力を入れてまいります。
なお、本年度は、市民が自然とふれあうことを通して自然の恩恵を身近に感ずることができるよう、自然環境保全条例に基づく保全地区等の指定の検討を行うとともに、市民の森整備の一環として森林空間総合整備事業を導入し、遊歩道などを整備します。
また、新規に海浜美化清掃事業を導入し、海流にのって漂着したごみなどを石垣島全域の海岸海浜から一掃し、美しい自然海浜の回復に努めます。
一方、都市の快適性を高める景観形成については、市民との協働による施策展開を図るため、今後とも市民参加の花いっぱい運動と、花づくり教室を継続し「花とみどりのまちづくり」を推進いたします。
なお14年度は、本市において沖縄県植樹祭が開催されます。今後とも緑豊かでうるおいのある都市環境の整備に努めてまいります。
また、公共施設や公共事業に赤瓦、石垣を積極的に採り入れ、伝統的景観の形成を図るとともに 、景観形成助成事業を継続して行い、市民意識の高揚と石垣市らしいまちづくりに努めてまいります。
2.く ら し
すべての人が住み良いまちづくりのため、交通通信ネットワークの整備や都市基盤の整備を進め、「快適で魅力あるまちづくり」を推進するため、新空港早期建設や情報通信基盤整備、上下水道の整備等、積極的な施策の展開に努めてまいります。
快適で魅力あふれるまちづくりのために
ご承知のように昨年は、市民待望の新石垣空港の建設位置がカラ岳陸上案に決定されました。計画発表から20年余の長い歳月を経た決定であり、八重山圏域住民の悲願が実現へ向け大きく踏み出したことに大きな感慨を覚えるものです。
この間、この問題解決に携わってこられたすべての市民皆様をはじめ周辺地域及び国、県、関係機関、団体の方々のご苦労に対し、心から感謝申し上げます。
とりわけ、今回の建設位置選定に際し、地元白保公民館では新空港建設検討委員会を設置し、位置選定委員会で選定されたカラ岳陸上案について、これまでの歴史的背景を踏まえつつ大局的見地から尊重し、平和的、建設的に取り組まれていることに対し、衷心より敬意を表するとともに厚くお礼申し上げる次第であります。
今回の決定は、圏域の地理的特性を活用し、アジア・太平洋地域に開かれた国際交流拠点都市の実現に大きな活路を見いだすものであり、行政を預かる責任者として圏域住民の悲願成就に努めるべく決意を新たにする次第であります。
今後、建設にあたっては、周辺地域の振興策に誠意を持って取り組むとともに、関係機関と密接に連携し早期建設へ向けて強力に取り組んでまいります。
このようななか、現石垣空港の乗降客数は順調に伸び、昨年はついに年間140万人を突破いたしました。利用率はますます高まっていくことが予測されていることから、本年度は新空港開港までの暫定的な措置として、到着ロビーの増改築を行い利用者へのサービス向上に努めます。
また、現空港の跡地利用について構想整備に着手いたします。
次に、本市の海の玄関である港湾整備については、八重山圏域における物流・人流の機能充実はもとより、国内外の大型クルーズ船、昨年初めて2千隻を突破したクリアランス船等に対応し得る国際交流拠点港として、引き続き防波堤や泊地及び岸壁の整備を進めるとともに、海洋性レクリエーション需要に対応した浜崎町地区船だまりの拡張、新港地区における親水緑地の整備を進め、港内の安全性、利便性、快適性の向上を図り、機能強化に努めてまいります。
また、新港地区については、コースタルリゾート構想の理念を踏まえた事業の具体化を図るためプロジェクトチームを組織し、土地の有効活用と海洋性レクリエーション拠点の形成をめざした計画の策定に努める一方で、企業等への説明を進めてまいります。
さらに、より高質な港湾施設の充実強化を図るため、総合旅客ターミナル施設整備を含む離島ふ頭一帯の機能的な再開発と港湾施設の機能分担という観点から次期港湾計画の策定に向けて取り組みを強化してまいります。
なお、台湾花蓮港と姉妹港の締結に向け、交流を深めてまいります。
次に、道路整備については、幹線道路をはじめ市民生活に密着した生活道路を中心に整備を進めてまいります。
幹線道路整備については、継続で崎枝線など5路線を引き続き整備いたします。国道390号の渋滞緩和をめざす真栄里南大浜線については、事業の早期完了に努めるほか、真栄里多田浜線については、国道及び市道産業道路との交差点改良を実施し、三叉路から十字路に整備し、安全性を確保してまいります。
また、新たに商工高南通り線を事業採択し整備を進めてまいります。
次に、都市計画街路については、新川団地前通り線が完了年度を迎えることから、新川小学校北縦通り線及び気象台西通り線を着工いたします。併せて、各路線の用地取得、物件補償を進め、工事の早期着手に努めてまいります。
なお、11年度より「すべての人にやさしいまちづくり」の観点からバリアフリー歩道の整備を進めておりますが、交通バリアフリー法の制定に伴い、その趣旨に基づく施設整備を検討してまいります。
生活道路については、新たに野底下地4号、5号線他3路線について、快適性を重視した道路として整備いたします。
なお、地域住民より要望のあった伊原間集落のバス停上屋について、本年度で整備いたします。
次に、情報通信基盤について申し上げます。近年、IT革命等を背景に飛躍的な進展がみられる情報化推進については、離島圏である本市にとって情報格差を解消するだけでなく、e−コマースなど地域活性化の可能性を秘めるものであり、さらに電子自治体づくりなど行政の効率化を促進することが期待されております。
昨年度は、地域インターネット整備事業を導入し、行政情報・図書情報システム「いしがきネット21」を整備いたしました。また、昨年5月に供用を開始した八重山マルチメディアセンターも、児童生徒を中心として活発に利用され、地域の好評を得ており、今後とも各種講習会等積極的な活用を進めてまいります。
一方で、活力ある地域社会の実現や市民福祉の向上を図るため、
庁内LANの構築や例規図書データベース化等で文書の電子化を進めるとともに、住民基本台帳ネットワークや収納管理システム、土木積算システムなどを構築し、電子市役所形成への取り組みなど高度情報化施策を進め、市民サービスの向上を目的とする地域情報化を推進してまいります。
本年度は、新たに「とぅもーるネット」整備事業を導入するため、情報化に関する市民ニーズや地域環境等の調査を行い各種情報化に対応したセンターの設置を進めてまいります。
次に、都市基盤の整備について申し上げます。登野城土地区画整理事業については、幹線道路の整備が昨年度ですべて完了することとなりました。今後は生活道路となる区画道路等の整備が残されており、円滑な事業完了に向け引き続き関係地権者皆様のご理解を求めつつ、事業を推進してまいります。
また、公園施設修景緑化事業では、中央運動公園多目的広場及び周辺施設の整備について15年度完成をめざし、継続して進めてまいります。また、住区基幹公園である真栄里公園については、引き続き用地取得、物件補償を進め、14年度着工につとめます。
なお、公営住宅整備については、昨年度で農村集落の活性化を目的とした市営開南団地を整備いたしました。今後とも事業採択を検討するとともに、県営団地の建て替えを働きかけてまいります。
水道事業については、清浄にして豊富、低廉な「安全でおいしい水」の供給を図るため、水資源の確保、水質の保全、渇水対策、老朽管の更新などを実施するとともに、事業経営の効率化を図り、健全な運営に努めてまいります。
本年度は、郊外住宅地へ配水管を布設するほか、継続して老朽配水管の取り替え工事を実施してまいります。さらに、安定した水量の確保を図るため、白水取水施設の基幹改良工事を実施いたします。
簡易水道については、引き続き一元化へ向けた取り組みを強化してまいります。
本年度は、野底浄水場の完成に伴い、久宇良配水池築造工事並びに伊野田、星野、大里地区への配水管布設工事を進め、14年度の事業完了をめざし鋭意努めてまいります。
公共下水道については、去る2月1日に西処理区の供用を開始いたしました。今後は供用開始地区の加入強化促進と、引き続き新川、石垣、大川地区の整備を積極的に推進するとともに、計画区域の拡張を検討し、環境保全と快適な市民生活の確保に努めてまいります。
申し上げるまでもなく、20世紀後半は大量生産と大量消費、そして大量廃棄の時代でありました。それを支えるための産業の目覚ましい発展・拡大は、人々の生活を豊かにしてきた一方で、その代償として様々な環境負荷をも併せて生じさせてきました。
このことを背景として、環境への負荷が少ない資源循環型社会いわゆるゼロエミッション社会へ移行することが求められています。循環型社会形成基本法やリサイクル法等の施行により、地方自治体においても地域の環境のみならず、地球環境の保全まで視野に入れた対策が求められています。
「捨てる」「埋める」「燃やす」時代から「減量化」「資源化」そして「再利用」の時代へ転換していくことこそ、将来に良好な環境を残すことにつながるのです。
このことから、快適な生活環境の維持を図るため、各衛生処理施設での適正処理や古紙リサイクル等ごみの資源化を実施しているところですが、今後ともエコ商品やリサイクル商品の普及奨励をはじめ各種施策の展開により、循環型社会の構築に努めてまいります。
本年度は、国等の補助を得て放置自動車対策事業を実施し、原野、山林等に放置された廃棄車両等の一掃に努め、良好な自然環境、都市環境の形成に取り組んでまいります。
また、放置自動車対策を強化するため、本年度において「放置自動車の発生防止及び適正処理に関する条例」の制定に努めてまいります。
また、ゼロエミッション社会の構築に向けた有機性廃棄物と、家畜ふん尿の適正処理等環境保全型農業の展開、資源の再循環を目的として、有機性廃棄物再生処理施設の整備を検討してまいります。
次に、市民が安心して暮らせる防災対策については、防災体制の確立や防災施設の整備充実に努めることはもとより、市民の防災意識の高揚を図ることが強く求められております。
このため本年度は、情報の伝達、住民避難、被災者の救出、関連機関との相互連携を図ることなどを目的とした総合的な防災訓練を実施し、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
また、防災気象講演会の開催や予防パンフレット配布等、予防啓蒙も引き続き実施してまいります。
交通安全対策については、市民や関係機関としっかりスクラムを組み「交通死亡事故ゼロ」を目標として石垣市交通安全計画に基づき、交通安全施設の整備充実を推進するとともに、交通事故未然防止のため全世代を通じた交通安全教育、安全運動を展開して市民一人ひとりに交通安全思想の普及・高揚を図り、交通安全の確保に努めてまいります。
引き続き、交通安全対策特別交付金により交通安全施設を整備します。
また、地域安全対策については「石垣市安全で住みよいまちづくり条例」に基づき、市民の防犯に対する意識の高揚と自主的な地域安全活動を推進するため、広報啓発をはじめ支援体制や環境整備を図ってまいります。
また、消防行政については、救急業務の高度化に対応し救命率の向上を最大の目的として高規格救急車を導入しており、待望の救急救命士業務を本年度から運用いたします。また、火災や自然災害に対し、自主防災組織の結成を支援し、市民意識の高揚を図ってまいります。
なお、消防庁舎の移転新築に向け構想整備に着手してまいります。
3.は ぐ く む
伝統文化や史跡、名勝、記念物等の文化遺産は、古くより継承、保存されてきた地域特有の個性豊かな市民共有の財産です。石垣市は、伝統文化を活かしたまちづくりを進めるとともに文化財の保護・活用に努めます。
また、少子・高齢化など社会の変化に即し、自然文化を活かした生涯学習の環境整備に努め、児童生徒の健やかな成長を図るため、学校教育の充実に努めるとともに、全ての市民がスポーツを通して健康で明るい生活が過ごせるよう環境づくりを進めます。
人と文化を大切にするまちづくりのために
本市ではこれまで、豊かな自然と歴史文化を背景とした地域文化活動の保護、育成、支援に力を注いでまいりました。この文化風土は、小中学校のマーチング全国大会での金賞連続入賞や各高校郷土芸能部の全国高校文化祭での受賞など、児童生徒の活躍に受け継がれ、本市の文化水準の高さを示すものとして実に喜ばしい限りです。
今後とも独特の文化や歴史を礎として、市民の多様な文化活動を促進し、内外に誇れる文化の薫りあふれた石垣市の実現をめざしてまいります。
本年度も引き続き、芸術文化の鑑賞、交流、創造及び市民の文化的水準の向上を図るため、市民会館を十分に活用したとぅばらーま大会をはじめ、民俗芸能振興大会、宮良長包音楽祭、青少年芸術劇場の開催等、地域の文化活動を支援してまいります。
文化財の保護・活用については、市民が等しく伝統文化に触れることにより、文化財に対する理解を深めてもらうため、文化財の保護と公開・活用を図りながら新たな市民文化の創造に努めてまいります。そのため、八重山蔵元跡の保存を検討するほか、フルスト原遺跡の保存整備を進めるとともに、市内の街路改良工事に伴う発掘調査をはじめ八重山で最初に築かれた名蔵瓦窯跡の発掘調査報告をまとめてまいります。
次に、市史編さん事業については、市民の文化及び精神面の指標となるよう引き続き諸資料の発掘収集整理を進め、貴重な文化遺産を後世に伝えるため「石垣市史」の発刊に向けた編さん事業を展開していくとともに、併せて、市民講座の開催や史跡巡見などの実施による市民意識の高揚に努めてまいります。
少子・高齢化が進むなか、市民のニーズが高まりつつある生涯学習の推進については、市民が生涯にわたって学ぶ喜びと生きがいを持ち、心豊かに過ごせるよう、指導者の養成や学習機会の拡大を図るとともに、関係機関や団体と綿密な連携のもと、平得公民館をはじめ視聴覚ライブラリー、図書館、文化会館、博物館、大濱信泉記念館のそれぞれの機能を活用して時代に即した社会教育環境づくりに努めてまいります。
また、市民が主体的に運営し、自ら学ぶ「日本最南端 いしがき市民大学」が開設されました。本市としても可能な範囲で支援してまいります。
次に、学校教育については、社会の変化に主体的に対応できる人づくりをめざし、幼児・児童・生徒の自ら学ぶ意欲と学力の向上を図るとともに、心豊かな個性と創造力を育んでまいります。
また、新学習指導要領に基づき学校の週5日制が14年度から始まります。ゆとりと特色ある教育を展開することで、一人ひとりの子どもたちが豊かな人間性と個性に輝き、自ら学び、自ら考える「生きる力」を培うことを基本として各種施策を展開してまいります。
本年度は、幼稚園における4歳児保育の拡充、預かり保育の試行を継続し、幼児教育の充実を図るとともに、心の教室相談員事業の研究委託を継続実施し、不登校児童生徒の適応指導総合調査研究を通して子どもたちの悩みに対処してまいります。
また、情報化時代に対応した教育を推進するため、小中学校の情報通信機器の充実を図り、校内ネットワーク化を進め、児童生徒の情報活用能力の育成・向上を図ってまいります。
本年度は新規に次世代IT教育推進事業を導入し、学校のIT環境の充実を図ってまいります。
また、市民間や世代間の情報格差を解消し、インターネットを誰でも自由に使えるようにするため、学校施設などを利用した「IT講習会」を精力的に開催してまいります。
施設整備については、昨年度で川平小プール、おおはま幼稚園新増改築事業が完了いたしました。本年度は、しらほ幼稚園園舎を新増改築するとともに、伊野田小学校、石垣小学校の屋内運動場新増改築に向けて調査を実施し、安全でゆとりある学習環境の整備に努めてまいります。
なお、伊原間中スクールバスを新たに購入し、北部地域の児童生徒の安全、快適な通学に活用してまいります。
また、教職員の資質向上を図るため、市立教育研究所における専門的、技術的な調査及び研究に積極的に取り組み、その研究成果を教育現場に反映させてまいります。
次代を担う青少年の健全育成については、複雑化する社会環境にあって、青少年が多様な人間関係を体験し学習できる環境づくりに努めるとともに、引き続き関係機関、団体をはじめ、家庭、学校、地域と密接な連携を図り、有害環境の浄化活動を進めてまいります。
スポーツの振興については、心と体ともに健全で健康な市民、児童生徒の健全育成に大きく貢献することから、すべての市民がスポーツに親しむ環境づくりを通して明るく豊かで活力に満ちた市民生活の確保に努めてまいります。
ご承知のとおり、2002年にはサッカーのワールドカップ大会が日韓両国で開催されます。本市には、全国トップレベルの施設を誇るサッカーパークあかんまが整備されており、今後ともその有効活用を図るため、みなみの島カップ交流サッカー大会など各種イベント開催を検討するとともに、引き続きJリーグやKリーグをはじめとするサッカーチームのキャンプ誘致を強力に進めます。
先に開催されたシドニーオリンピックでは、公式種目となったトライアスロンが世界のトップアスリートによって競われ、私たちに多くの感動を与えました。
そのメダリストの多くが参加を予定しているITUトライアスロンワールドカップ石垣島大会・石垣島ファミリートライアスロン大会を本年度も継続開催し、魅力あふれる石垣島のロケーションを全世界に発信してまいります。引き続き市民皆様のご支援ご協力をお願いいたします。
また、本年度は、スポーツ振興基本計画策定に着手するほか、石垣島クロスカントリー大会、地域巡回スポーツ教室、石垣市親善大使サッカー事業、市民スポーツ教室等を実施し、市民皆スポーツの普及・実践に努めてまいります。
4.い き が い
本格的な高齢化社会が到来するなか、心身ともに健康で豊かな人生を過ごすことは市民共通の願いです。すべての市民が健康で長寿な社会を実現するため「健康で喜びあるまちづくり」をめざし、市民の健康保持・増進に努めます。
健康で喜びあるまちづくりのために
本年度は、市民待望の「総合保健・医療・福祉センター」(仮称)がいよいよ完成し、本格的に動き出します。
本センターは、子どもからお年寄りまですべての市民の健康増進はもとより、医療、検診の充実強化や、福祉の充実を図ることを目的に設置される総合的活動拠点です。
健康都市づくりへ向けて、母子保健、老人保健、予防接種、訪問指導、健康相談のより一層の充実を図るとともに、特にがん検診については、早期発見に重点を置いたきめ細かな住民サービスの実施に取り組んでまいります。
一方、国民健康保険については、引き続き医療費の増加を抑制しつつ、医療費の適正化と納付率の向上に努め、国保財政の健全化を図ってまいります。
また、老後の保障として大きな役割を果たす国民年金については、収納率の向上を図るとともに、制度の周知や受給権の確保に努めてまいります。
次に、老人福祉については、全国的に少子・高齢化が進むなか、本市でも高齢者比率が14.8%(1月末現在)に達し、介護を必要とする高齢者も比例して増加している傾向にあります。このようななか、昨年度から介護保険事業が導入され、現在では多くの高齢者が介護サービスを受けています。本市では、引き続き介護サービスの充実を図るとともに、関係機関との連携により要介護者が各種介護サービスを選択できる環境づくりに努めます。
本年度は、市内3か所の在宅介護支援センターを統轄し、保健・福祉・介護サービスの総合調整を担うとともに、介護サービスを受けていない高齢者の支援を行う「基幹在宅介護支援センター」を開設し、市民サービスの向上に努めてまいります。
介護保険制度の実施により、高齢者福祉、医療への関心はますます高まっており、この基幹センター開設によって、ニーズを的確に把握し、高齢者が安心して暮らせる環境づくりに努める一方、各センターと連携して独居老人の訪問活動、公民館や民家を利用した出前ミニデイサービスなど介護予防事業を実施してまいります。
なお、高齢者の生きがい対策としてシルバー人材センターの充実をはじめ、趣味のサークル等、老人クラブ活動の支援も積極的に行ってまいります。
また、本年度は、県立八重山厚生園移転改築が本格化します。本圏域の基幹を担う施設となることから、事業が円滑に進むよう側面的に支援してまいります。
障害者福祉については、ノーマライゼーションの理念に基づき、障害者が自立して自由に社会参加できるようなバリアフリー社会実現に向けた環境整備に努めてまいります。
昨年度は、福祉のまちづくり条例の整備基準に沿った特定生活関連施設に交付する適合証のデザインを公募し「太陽と結いまーる」のデザインを決定いたしました。本年度より交付を開始し、バリアフリー化を一層促進してまいります。
本年度も、引き続き障害者福祉計画に基づき、医療費の助成や日常生活用具の給付など自立支援施策や、手話通訳の確保、点字、声の広報、スポーツ活動、移動支援事業を実施するほか、障害者の日・市民の集いを通じて市民への啓発活動、障害者団体や共同作業所の育成・支援の充実を図ってまいります。
児童福祉については、家庭や児童を取り巻く環境が大きく変化しており、核家族や少子化が進行するなか、安心して子どもを生み育てることができる環境づくりと、子育てに生きがいの持てる環境づくりが求められています。
ことに少子化については、女性の就業機会の拡大や雇用慣行など既存の社会制度、慣行を変えることが基本的な戦略であり、こうした時代の要請に的確に応えていく必要があります。
このことから、昨年度は、大川保育所改築と併せて、子育て支援センター「こっこーま」を開設し、時代の要請に応える新しい保育カリキュラムを実施し、地域の好評を得ていることは、喜ばしい限りです。
一方、子どもを育てる上で必要な社会環境の充実度をみる「全国都市子育て指標」(東洋経済新報社調査)で石垣市は東京23区を含む全国694市区のうち環境充実度で第1位となりました。この調査は出生率や人口比率、世代同居率などを統計的に評価したもので、名実ともに全国一子育てしやすい石垣市となるよう、今後とも充実を図ってまいります。
また、保育行政については、本年度も引き続き大川保育所を地域の子育て支援の中核とし、その他の保育所についても地域への園庭開放など、子育て環境をさらに充実させるとともに、認可外保育園への助成を実施いたします。また、障害児の活動支援の観点を含め、学校空き教室を活用した放課後児童健全育成事業を拡大実施してまいります。
母子・父子福祉については、関係機関と連携を図りつつ、児童や家庭に関する相談や支援のための体制を強化し、心身ともに健やかな児童の育成を図ってまいります。
複雑多様化する消費社会のなかにあって、消費者保護については、これまで同様県民生活センターと連携を密にし、様々なメディアを通して氾濫する情報から消費者を保護するための啓発活動を進める一方、消費者生活モニターの積極活用により、物価安定及び不良品の流通防止など生活関連物資の物価監視に努めてまいります。
5.に ぎ わ い
国内の経済情勢は、長期不況やグローバル化、規制緩和等の急速な進展、金融・生保の再編統合が進み、全国津々浦々否応なく「大競争時代」の波に洗われようとしています。
また、全国的に公共事業の見直しが進むなか、従来の財政依存型の産業振興策についても見直しが迫られています。
このことから石垣市においても産業構造の転換が急務であり、新たな地域産業の創出はもとより、天恵の自然環境を活かした農林水産業の振興、国際観光リゾートの振興などに、なお一層努めていく必要があります。
このため、本年4月の機構改革において企画開発部及び農林水産部を新設し、地域振興、産業振興を強力に展開してまいる所存であります。
企画開発部では、経済振興プラン策定に向けて新たな産業政策や流通について調査研究させ、可能なものから速やかに施策を展開するなど、機動的な対応を図ってまいります。
また、農林水産部では、地域全体の課題として指摘されている観光・リゾート施設への地元産生鮮農水産物の自給率拡大と、付加価値を高める加工、流通等について取り組みを強化するとともに、克服すべき課題の点検と生産・流通システム整備に努めてまいります。
そのうえで、21世紀の本市経済の柱が農林水産業であることを改めて確認するとともに、天恵の自然という優位性を最大限に活用した振興を図ってまいります。
まさしく、地域産業全体が「結い」の心でともどもに繁栄する「世ば稔れ」の理想を掲げ、進んでまいりたいと存じます。
多彩で活気あるまちづくりのために
農産物をはじめとする食料の供給こそ国民生活の基本、いしずえです。
しかしながら近年、国内はもとより、本市においても農業、農村を取り巻く環境は農業者の高齢化や国際化の進展による農作物の自由化等により厳しい状況となっています。
このようななか、国においては農業、農村の持続的な発展を通じて国民の安全で豊かな暮らしを確保していくため「食料・農業・農村基本法」を制定し、農業振興を図っていくこととしています。
本市においても、地域農業の振興を図るため、引き続き畑かん、排水路等の整備を進め、新たに伊野田4号農道整備、名蔵ダム周辺水辺空間整備に着手するなど、農村生活環境の改善を図るとともに、地域農業マスタープランを踏まえ、基幹作物のサトウキビを基軸としてパインアップル、葉たばこ、水稲、野菜、肉用牛等を組み合わせた複合経営を推進し、農業が魅力とやりがいある効率的、安定的な職業として選択されるよう各種施策を進め農業経営者の育成に努めます。
そのため本年度は、総合農業振興センター(仮称)の構想実現に向けて検討を進めるほか、新技術・新品種導入対策事業により、パインアップル等生果の品質や栽培管理技術の向上を図ります。
さらに、農業生産物の島内自給率の拡大はもとより、島外への出荷も視野に入れた収益性の高い農産物の供給産地形成にも努めてまいります。
本年度は、県団体営畑かん事業の農家負担分について、石垣市が負担することで基盤整備の促進と農家負担の軽減に努めてまいります。
また、農業・農村が持続的に発展していくうえで重要な環境保全については、畜産との有機的結合を促進するなど、農業の持つ多面的機能を活かし、環境負荷の軽減に配慮した環境保全型農業の推進に努めます。
また、新たに農村集落の環境向上を図るため、本年度より白保・宮良地区の農業集落排水事業に着手いたします。
畜産振興については、主要種畜である肉用牛、乳用牛、豚、採卵鶏等の粗生産額が本市の農業粗生産額の約50%を占めており、特に近年順調に推移している肉用牛の生産振興については、これまで同様、団体営草地開発整備事業等による草地の開発、既存草地の再整備を積極的に推進し、本市の粗飼料生産の有利性を充分に活かした低コスト生産の基盤づくりを強化するとともに、併せて高能率牛の導入及び地域内保留の促進や集出荷体制の強化を図り、肉用牛経営の安定化を図ってまいります。
また、JA八重山が高級枝肉「石垣牛」の差別化とブランド化を促進するため商標登録しており、さっそく地元でもその商標を表示した牛肉が販売され好評を得ています。今後ともブランド化を強力に促進してまいります。
さらに、本年度も八重山食肉センターの施設・設備改善を進め、付加価値を高めるための加工等、円滑な事業実施を支援するとともに、抜本的な経営改善に取り組んでまいります。
また、オウシマダニの再侵入防止や口蹄疫対策に万全を期すとともに、疾病予防等を進めてまいります。
環境保全対策としては、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律の趣旨に基づき、ふん尿を原因とする悪臭、水質汚濁、河川汚染の発生防止に努め、適正処理及び堆肥利用等の有効活用について、普及促進を強化してまいります。
林業振興につきましては、全国的な木材需要の低迷、後継者不足に加え外国産木材の輸入増加等、極めて厳しい状況のなか、著しく停滞しております。このような現状を踏まえ、本年も引き続き森林資源の価値的高度化を図る森林整備に努めるとともに、林業の活性化と経営の合理化を推進するため、引き続き野底林道の開設を推進いたします。
水産業の現状については、漁場環境の変化による沖合資源、沿岸資源がともに減少傾向にあるなか、漁業就業者の高齢化なども相まって、漁獲量並びに生産額が伸び悩んでいる状況にあります。このような現状を踏まえ、水産業の振興については新たな振興策の展開が求められています。
このため、自然特性の優位性を活かした沿岸漁場づくりをはじめ、亜熱帯海域における特色ある養殖魚種の開発等に積極的に取り組むほか、タカセ貝放流による資源の増大を図るため育成礁の造成を行い、つくり育てる漁業の定着を図り、資源管理型漁業の推進に努めます。
栽培・養殖漁業の推進については、これまで国、県をはじめとする水産研究機関の支援により、クルマエビやミーバイ等の養殖用優良種苗の安定供給を受け順調に養殖漁業が定着しています。今後は、さらに量産化、ブランド化を図り、本市の特産品として定着させ、漁業経営の安定化を目指してまいります。
また、ワシントン条約により取引禁止となっているべっ甲について、全国の関連業界から国内でのタイマイ養殖を求める動きがあることから、タイマイ養殖試験場の誘致に努めます。
さらに、漁業生産の基盤である漁港施設の充実整備を進めてまいります。本年度は、登野城漁港周辺の道路整備や、第2船揚場の背後船置場舗装整備をはじめ、引き続き船越漁港の海岸保全整備など漁港基本機能の充実を図ってまいります。
なお、初の試みとして中層浮魚礁2基を設置いたします。また、地域より要望のある東1組ハーリー船保全施設改修を支援します。 後継者育成については、引き続き地元高校への水産科設置を働きかけてまいります。
商工業の振興については、大型店舗等の進出により既存の商業環境が厳しく変化しつつあり、それに応じた新たな商業環境の整備が求められています。
そのため、昨年度は、魅力ある商店街づくりを促進し、中心市街地へのアクセスと観光客散策の快適性を向上させるため、地域文化を重視したモニュメントや案内板を設置いたしました。
本年度は、中心市街地活性化計画施策の一環として、公設市場の管理について昨年発足した株式会社タウンマネージメント石垣に委託し、民間活力を導入するとともに、商工会等関係機関や地域住民との連携を強化し「明るく元気で魅力ある商店街」づくりに努めてまいります。
また、中小企業の育成・強化を図るため、ふるさと融資や石垣市小口資金融資制度をはじめとする各種融資制度を活用した地域経済の安定・活性化を促進いたします。
地場産業については、地域資源を活用した伝統工芸品及び特産品の開発を促進するとともに、離島フェアー、伝統工芸ふれあい広場事業、物産展を通して生産及び販路の拡大を引き続き進めてまいります。
昨年度は、本市の誇る伝統工芸品の販売戦略を強化するため、新たに「石垣市伝統工芸品推奨制度」を創設し、八重山上布や八重山ミンサー、黒蝶真珠など49品目を指定いたしました。今後とも伝統工芸品の品質への信頼度を高め、販売強化や「石垣ブランド」のイメージ形成につなげていきたいと考えます。
また昨年は、八重山上布の新垣幸子さんに続いて、長年ミンサーの伝統の保存と後継者育成はもとより、新たな商品開発などに携わってこられた新絹枝さんが「現代の名工」に指定されました。このことは、地域全体の大きな喜びであり、石垣市の誇りとしたいと存じます。
一方、景気回復が遅れるなか、県内の失業率は全国平均の約2倍の高率で推移しています。本市においても雇用情勢は依然として厳しい状況にあり、その改善が課題です。このため、緊急雇用対策事業の導入等、国、県、関係機関と連携を密にし、製造業の育成及び産業振興の推進をはじめとする雇用機会の創出、拡充に努めてまいります。
本市の観光関連産業は、地域経済の基盤となる重要な産業であり、新世紀は、農業、水産業をはじめとする一次産業や商工業をはじめその他産業との連携強化による相乗効果が地域経済の活性化につながるものと期待されます。
石垣市は、これまでも恵まれた自然と、固有の文化などの豊富な観光資源を背景に、市民と行政の協働で積極的に誘致活動に取り組んでまいりました。 その結果、本市を訪れる観光客は年々増加傾向にあり、特に国内主要都市を結ぶ航空路線での入域客は着実に伸びており、今後も期待されるところであります。
昨年は、読売新聞「21世紀に残す日本の風景遺産100選」に選ばれたほか、ダイビング専門誌のアンケートで「海の旅国内ベスト・リゾート」部門第1位に選ばれるなど、注目を集めています。
本市としては「観光立市宣言」にふさわしい観光地として、引き続き観光施設の整備拡充を図り、長期滞在型、体験滞在型観光に力を入れるとともに、観光ボランティアガイドの活用や、総合インフォメーションの設置を検討し「魅力あふれる観光都市」をめざしてまいります。
なお、4月から放送のNHK朝のドラマ「ちゅらさん」で八重山圏域が舞台となります。このPRのため「二人のビッグショー」などの公開番組が本市で収録されますので、全国に本市の自然文化風土をアピールしたいと考えます。
引き続き三市町や広域圏、関係団体と連携し「八重山観光感謝の集い」をはじめ国内主要都市での「修学旅行誘致説明会」さらには「ダイビングフェスティバル」等の誘客宣伝、各種キャンペーンを展開してまいります。
また、観光リゾート産業の人材育成、地域産業の振興に大きく貢献するものと考えられる「国立観光総合大学」の設置については、継続して関係機関に強力に要請を行い、設置に向けた取り組みに努めてまいります。
6.ふ れ あ い
全国的に国際化社会、男女共同参画社会、平和行政に対する住民ニーズが高まるなか、本市においても地域コミュニティ、各種ボランティア、NPOなどの住民を主体とした地域活動を支援していく必要があります。そのため、市民と一体となった「協働のまちづくり」を推進します。
協働と交流、連携で活力あるまちづくりのために
本市の国際交流は、台湾宜蘭県・蘇澳鎮をはじめ米国ハワイ州・カウワイ郡との姉妹都市提携など、本市の持つ地理的特性や歴史的背景を活かし進められてまいりました。
昨年は、ハワイ州カウアイ郡で開催された沖縄県人移民100周年記念祭に親善訪問団を派遣し、本市出身の方々と交流を深めてまいりました。
本年度は、外国青年を招致し、地域レベルでの国際化と語学教育の充実を図ることを目的とした国際交流員事業を継続実施するとともに、市民の国際感覚や語学力を養うことを目的に石垣市国際交流協会が開催する英語や中国語講座、外国人のための日本語講座の支援を続けるほか、語学ボランティアの育成やネットワーク化に努めます。
また、本年度は「第3回世界のウチナーンチュ大会」が開催されます。従って本市出身者を招待し、発展したふるさとをご覧いただくと同時に交流を深めてまいりたいと存じます。
さらに「石垣市国際交流大使」を活用して、本市を広く海外へ紹介するなど国際観光都市をめざした施策の展開に努めてまいります。
一方、国内交流については昨年、友好都市稚内市にスポーツ少年団を派遣、交流を深めたのをはじめ、本市の農業開発に意を注いだ中川虎之助翁と、さとうきび栽培をゆかりとして徳島県上板町と「ゆかりのまち」を提携、交流を深めることができました。
本年度は、親善都市岡崎市の観光夏祭りに本市の豊年祭行事の華である旗頭や奉納踊り、太鼓行列などを派遣、我が国最南端の伝統文化をアピールしてまいります。
平和行政については、本市に設置されている「世界平和の鐘」
を中心として「非核平和宣言都市」「平和港湾宣言」の理念に基づいて平和へ対する市民意識の高揚を図り、核兵器廃絶と恒久平和の実現を広く世界に訴え続け、たゆむことなく平和行政を推進してまいります。
なお、本年度も児童生徒の「平和大使」を長崎市に派遣いたします。
次に、本市の女性行政については、男女共同参画社会基本法施行に先駆けて策定した行動計画「いしがきプラン」に基づき、市民意識の高揚を図るため、女性講座や推進市民フォーラムを開催しています。また、広報誌「まるざー」の発行により女性行政に対する市民意識の啓発に努めているところであります。
本年度も、地域に貢献するリーダーの育成、資質の向上を目的とする「女性の翼」事業を継続して実施するほか、新たに多様化する社会・家庭環境にあって生ずる女性の悩みや問題等を軽減することを目的として女性相談室を開設いたします。今後とも男女が共に創りあげる人権を重視した心豊かな男女共同参画社会の実現に向け努めてまいります。
なお、21世紀は人権の世紀と言われています。これまでに積み上げられてきた成果を踏まえ、すべての人々の人権が守られるよう、人権啓発や人権教育に力を入れてまいります。
全国的に住民による自主的・主体的地域づくり活動が展開され「住民参加によるまちづくり」が進むなか、本市においても市民の意見を市政により多く反映させるため、第3次総合計画基本構想策定にあたっては、総合計画審議会のご意見はもとより、各分野で活躍する市民で構成された「チーム未来21」の意見を採り入れた計画づくりに努めてまいりました。
本年も、引き続き「市民主体の活力あるまちづくり」推進のため、各種地域づくり団体やNPO団体などの支援・育成を図るとともに「市民・行政協働のまちづくり」推進に努めてまいります。
なお、市民憲章については、15年に本市で全国市民憲章運動連絡協議会の全国大会が開催されます。さらに運動を強化し、住みよいまちづくりを推進してまいります。
健全な行財政づくり
国、地方ともに厳しい財政事情にあるなか、地方主体のまちづくり、生活者の視点に立った行政を推進するため、地方分権時代にふさわしい行政システムをめざす行政改革の推進、市民と協働によるまちづくりに積極的に取り組むとともに、健全な行財政運営に努めてまいります。
ご承知のとおり、地方分権推進のもと、国と地方の関係について新たな枠組みが示され、分権型社会における自主的、自立的な行政体制の整備、確立が求められております。簡素で効率的な、かつ市民の信頼を得る行政運営を確立するための行財政改革は、本市においても待ったなしの課題となっています。
石垣市は新しい社会を「協働」で担う効率的で開かれた「21世紀型自治体」をめざします。これは「効率的」という経営感覚と「開かれた」という市民感覚をあわせ持ち、果敢に未来に挑戦し続ける自治体のことです。
そのため、緊要な政策や行政課題に迅速かつ的確に対応できる執行体制の確立と、総合窓口等の組織機構の改革を行うこととし、組織の活性化、事務の効率化はもとより財政基盤の確立について検討を進め、時代に即した改革を推進してまいります。
また、政策形成能力の向上を図るため、充実した職員研修を進めるなかで、地域に根ざし積極的に行動する職員、新しい時代を担いうる職員を育成することにより、効率的・効果的な行政運営を図るとともに「市役所が市民への最大のサービス産業」であるとの認識のもと、より一層の行政サービス向上に努めてまいります。
なお、国、県による市町村合併への取り組みが推進されるなか竹富町、与那国町との連携をさらに強化し、圏域として一体的に取り組むことが必要かつ効率的な地域振興策については、積極的に共同化に取り組むなど、実情に即した広域行政を推進してまいります。
また、財政運営については、例年にも増して厳しい財政状況にあることから、自主財源の確保が最も重要な課題となっております。
そのため、特別整理班を新設し、市税の徴収を強力に推進してまいります。また、市民の信頼と協力を得て自主納税を推進し、税収入の確保に努めてまいります。
なお「行政評価」や「PFI」など新たな行政手法の検討や、限られた財源の有効かつ効率的な執行に努めることはもとより、行財政改革を一層推進してまいります。
予算編成方針と予算規模
地方財政を取り巻く環境は、景気回復の遅れや硬直化など、ますます厳しさを増し、地方公共団体は深刻な財源不足に直面する実状にあります。
本市もその例外ではなく、市税の増収が期待できない反面、新たな行政需要に対応する必要があり、従来にも増して厳しい財政状況となっております。
このため、新年度予算編成にあたっては、地方財政計画を踏まえたうえで行財政改革を強力に推進し、より一層の経費節減に努めるとともに、時代の動向を見据えた新たな視点からこれまでの慣例や手法を見直し、費用対効果の観点から限られた財源を重点的かつ効率的に配分し、当面する重要施策の積極的な展開を図っていくことに努めました。
以上の方針に基づき編成した平成13年度予算は、一般会計が総額181億6990万円、特別会計は総額132億1888万1千円となっています。
む す び
以上、平成13年度の市政運営にあたり、所信と主要施策のあらましについて申し述べてまいりました。
新しい世紀の到来にあわせて、時代は大きく変わろうとしています。この変革期を乗り切るには、私をはじめ職員すべてが自己研鑽に努め、自治体変革に取り組まなければなりません。
国際化、高度情報化、少子・高齢化などの進展や、市民ニーズとライフスタイルの多様化、さらには地方分権や介護保険の実施といった社会潮流のなか、本市は第3次総合計画のスタートの年度を迎えます。
これを一つの節目として、これまで先人たちが築き上げてきた数多くの事績に改めて感謝しつつ、郷土愛、隣人愛、世代をこえて市民同士の心のふれあいを大切にする「健康都市いしがき」を皆様と手をあい携え、創りあげていきたいと存じます。
私はこの間「愚公山を移す」の気概を忘れることなく、倦まずたゆまず刻苦精励してまいりました。そうするならば、踏み越えられない山はないと確信するからであります。
ふるさとを誇りとし、いつまでも住み続けたいと願う市民一人ひとりの行動が一つの方向に向かって結集し、市民、議会、行政が一体となったとき、初めて大きな力が発揮され、市勢の発展と魅力あるまちが創られるものと考えます。
迎えた新しい世紀は、20世紀の正の遺産を継承しながら、豊かさとゆとりを実感し得る豊穣と、感性の時代であります。私たちには同時に、戦争と混乱の世紀と呼ばれた前世紀の負の遺産をも克服していくことが求められています。
新世紀のスタートは、私たちに未来への清新な夢と期待を与えてくれます。
21世紀の大海に乗り出したわが石垣市が、新しい時代に光り輝き、そして豊かさとやさしさに満ちたまちとなるよう、私自ら先頭に立って諸課題に真正面から取り組む決意であります。市民皆様、議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、説明を結びます。
平成13年3月5日
石垣市長 大 M 長 照