H28-12移動展「竿根田原洞穴遺跡展」

更新日:2020年07月30日

平成28年度・沖縄県立埋蔵文化財センター移動展
「白保竿根田原洞穴(しらほさおねたばるどうけつ)遺跡展」期間 : 平成28年12月9日(金曜日) ~12月18日(日曜日) 
会場 : 八重山博物館特別展示室


白保竿根田原洞穴遺跡は、石垣市字白保に所在する遺跡で、
新石垣空港建設にともなう洞穴調査を契機として発見されました。
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 白保竿根田原洞穴遺跡展は、沖縄県立埋蔵文化財センター主催の移動展として開催されました。 
 白保竿根田原洞穴遺跡は2007年に発見され、その後の2010年からの沖縄県立埋蔵文化財
センターの発掘調査によって、遺跡の中心部は空港の浸透池内に現地保存されることになりました。
この調査の詳細については、今年3月に刊行される調査報告書に掲載されることになっています。 
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  順路通りに進むと、はじめは、白保竿根田原洞穴遺跡の概要、調査工程の案内がありました。
白保竿根田原洞穴遺跡で見つかった人骨や動物骨は、住居跡や石積み等の遺構や、土器や
石器・陶磁器等の遺物を伴わなかったため、年代の特定が困難でした。
 そこで、特に人骨に関しては、回収後に年代測定やDNA分析を行うため、分析に必要な骨の
内部に残されているコラーゲンが劣化しないよう迅速に行うとともに、分析の妨げになる物質が
付着しないよう、検出から取り上げまでを慎重に行いました。          
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 次へ進むと、発掘された遺構や人工遺物が紹介されました。
グスク時代から後期更新世までの複数時期に渡る遺構や遺物が確認されています。下田原期
(約4,000年前)の崖葬墓と思われる遺構の発見もあり、当時の葬送例について、新知見が
得られました。
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 最後は、調査・分析の成果が挙げられました。
発掘調査の結果、約20,000年前から約500年前までの複数の時期が存在することがわかり
ました。また、これまで日本列島で発見された人骨のうち、人骨そのものから年代を測ることが
できた最古の人骨は、静岡県浜北遺跡の人骨で、約14,000年前でした。白保竿根田原は、
それよりも約6,000年も古い人骨であることがわかったのです。
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 ガラスケースには、実際に発掘時に使った道具や、出土したイノシシやネコ(イリオモテヤマネコ?)、
トリ、ヘビ等の骨、人骨のレプリカ、土器・石器等の破片が並べられていました。発掘には、園芸用品
や大工道具等、身近な用具が使われていました。今回の発掘で最も多く使われた道具は、焼き鳥用
の竹串だったそうです。竹串は遺物を傷つけず、細かい人骨片の検出や取り上げ、遺物の測量計測
地点の目印として活躍したそうです。
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 「白保竿根田原洞穴遺跡発掘調査報告書」は、自由に閲覧することが出来ました。
発掘調査作業状況も、映像として見ることが出来ました。
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 2013年に作成された白保竿根田原洞穴遺跡の講演会資料集、今年はじめまで沖縄県立博物館で開催
されていた「港川人と時代のその後」のパンフレット、南城市サキタリ洞遺跡の発掘資料も配付しました。
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 期間中、464名(一般284名、中学生~大学生160名、小学生以下20名)の方が観覧されました。
 アンケートに記入いただいた中には、竿根田原の勉強会や展示会を石垣島で続けてほしいとの意見が
ありました。人骨の復元を希望する声もありました。
 今回の移動展は、これまでの調査成果を広く地域の皆さんに公表するとともに、今後、遺跡をどの
ように保存し、利活用していくのかを目的として開催されました。
 2010年度に約400点だった人骨片も、その後の調査によって、現在、約1000点まで増えており、
接合作業・鑑定作業を進めています。10体を越える旧石器人が含まれることは確実で、現在、デジタル
復元を進めているそうです。
 今後の分析研究によって、これらの遺物、人骨等が現在の常識を変えるほどの大発見に繋がること
もあるかもしれません。今後の報告が楽しみです。