南の島の星まつり2023について
美ら星の歌入賞作品&応募作品をモチーフに誕生した「美ら星の歌」歌詞掲載について
南の島の星まつり2023のプログラムとして実施した「美ら星の歌~星空短歌募集~」の入賞作品とその講評、そして応募作品をモチーフにして元やなわらばーの東里梨生さんが制作した「美ら星の歌」を掲載いたします。(PDFファイル:103.3KB)
美ら星の歌入賞作品&
応募作品をモチーフに誕生した「美ら星の歌」歌詞掲載
南の島の星まつり2023のプログラムとして実施した「美ら星の歌~星空短歌募集~」
の入賞作品とその講評、そして応募作品をモチーフにして元やなわらばーの東里梨生さんが制作した「美ら星の歌」の歌詞を掲載します。 8月20日のミニライブはとても感動的でした。また、いつか楽曲を聴ける日が楽しみです。
入賞作品
今回の応募は344作品に上りました。ご応募ありがとうございました。
(敬称略)
1 |
美ら星の歌賞 |
うえむら ちあき |
君と見た 流星群が 恋しくて |
2 |
ひろさと ふかさ |
暗いほど 輝く星の 幾千が |
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1 |
特別賞 |
あいざと あやか |
小さな手 擦り切れた星座図鑑 |
1 |
むりかぶし賞 |
やまうち ひろこ |
9月(ながつき)に 産まれ来たる |
1 |
てぃんがーら賞 |
じょうがはら よしの |
望遠鏡 そこにはどんな きらめきが |
2 |
ささき なおみ |
天の川 すんだ夜空に ねがうこと |
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3 |
にくやきさん 肉焼きさん |
月を見て あなたに会いに 行く夜は |
|
4 |
ひがしざと こずえ |
この島の 希望をすべて 集めたら |
講評(歌人:松村 由利子)
今回の応募は344作品に上りました。全国からたいへん多くの作品が集まり、とても感激しております。
全体としては、「これからもこの美しい夜空、星空が変わらないでいてほしい」という願い、それから「輝く星に大切な人を思う」という古代から変わらぬ心が詠まれた歌が多かったのが特徴です。会いたい人になかなか会えない気持ちを、遠く輝く星になぞらえる気持ちは昔から変わらないことを思います。戦争マラリアで亡くなった人を星に重ねた歌もありました。早くに亡くなったお子さんについて、親ごさんが「星になった」のだと詠んだ悲しみの歌も心に残りました。
場面としては、親子や夫婦、カップルで星を眺めるというものが多く、あたたかい気持ちになりました。一方、一人で星空を見上げる歌には、人生に対する深い思いや生きていることの不思議などが詠みこまれていました。
サガリバナやヤンバルクイナといった、地域性のある植物や動物、「てぃんさぐぬ花」「ゆんたく」「ニライカナイ」など島ことばが織り込まれた歌も大変魅力的でした。たまたま入賞作品には、島ことばの入った歌はありませんが、これからもそういう歌を詠んでいただければ、と願っています。
そして、平和な未来を願うという歌も多く、いろいろ暗いニュースの多い今の時代を反映していると考えさせられました。短歌は本当に小さな形の詩ですが、私たちの心や時代を映し出すことのできるものです。南の島の星まつりのために詠まれた344首、それぞれのきらめきを味わえたことをたいへん嬉しく思います。
◇「美ら星」賞の受賞作品について
・君と見た流星群が恋しくて美ら海の島また逢いに行く
この歌の作者は、かつて、どこかの島で「君」と流星群を見たことを詠んでいます。 「流星群が恋しくて」とありますが、本当に恋しいのは「君」ではないかと思われます。これは失恋の歌なのです。けれども、歌全体にはどこか明るさが漂っています。それは「美ら海の島」という言葉によって広がるイメージ、そして「また逢いに行く」という積極的、前向きな姿勢によるものだと思います。
流星群という天文現象と、美しい海の両方が詠み込まれているのもとてもいいです。
美ら海の島で仰いだ夜空の美しさ、たくさんの流れ星が、歌を読んだ人の心にもくっきり浮かぶ一首は、「美ら星の歌」にふさわしいと思い、この一首を選びました。
・暗いほど輝く星の幾千が太古のまなざし わたしに向けて
夜空に輝く星にもいろいろあり、太陽系の惑星は比較的近いものですが、遠くの星になると何億光年も離れています。つまり、地球から一億光年離れた星の場合、私たちの見ている光は、一億光年前に放たれた光なのです。作者は、そんな遠くにある星からの光を「太古のまなざし」と表現しました。今回の審査員のお一人、石垣天文台の花山秀和さんは、「天体を観測するのは私たち人間のまなざしですが、この歌は逆に、星から「わたし」に向けてまなざしが注がれている、と表現されているところが素晴らしい、と高く評価していらっしゃいます。
最初の「暗いほど」という言葉ですが、これは遠くにある星の明るさが暗い、ということ、また、遠い星ほど瞬くということを指しているのだと思われます。そして、ちょっと視点を変えると、いまの世の中、世界が暗いほど、昔から変わることのない夜空の星は、私たちの心に光をもたらす、というふうにも解釈できると、私は読みました。
どちらも星に勇気や慰めを与えられることを表現した、2023年の「美ら星の歌」にふさわしい短歌だと思います。
◇特別賞
・小さな手擦り切れた星座図鑑息子よこれが本物の星だ。
古びた星座図鑑の手ざわりまでも感じられるリアルさ、そして、星の好きなお父さん(あるいはお母さん)と小さな息子の姿が温かく描かれているのが大変魅力的です。「擦り切れた」という言葉には、親子で繰り返し読んだ時間が注がれています。旅先で降るような星空を見上げた作者が、星空への感動と、ようやく息子にそれを見せてやれた喜びの両方を盛り込まれており、この歌もまた、美ら星の島とされる石垣島の夜空を大事にし続けたい思いを、私たちに伝えてくれる作品と思います。
作者は石垣市在住の方ですが、小さな息子を伴い、旅人として石垣を訪れたというフィクションを巧みに詠んだ歌ではないでしょうか。短歌には、こういうふうに事実そのものでなく、自分で物語を創作、演出して詠む楽しみもあります。
美ら星の歌 (作詞:東里 梨生)
潮風香る暑き日は あなたの笑顔思い出す
幼き日々につないだ手 あたたかく大きな手
眠れぬ夜はこの海で 歌を歌ってくれました
空の万華鏡 波の音 穏やかに目を閉じた
この手に今も 残ってるの 恋しいあのぬくもり
時を紡ぐてぃんがーら どこかで光るあなた探す
たとえ二度と会えなくても 私の心を照らして
君が産声あげたのは 七夕月(タナバヅキ)の夜でした
『自分らしく輝いてほしい』願って名付けました
暗いほどに 光放つ 幾千の星のように
想い繋ぐてぃんがーら 笹の葉に夢を託す
幼くつぶらな瞳 宇宙より深く蒼くきらめく
歌うよ 愛しきあなたに
祈るよ 天群星(ティンヌムリブシ)に
涙乗り越えた 美ら海の島と 子供達の笑い声を
時代を紡ぐてぃんがーら 星降る夜の子守唄
何億光年先も この島の心を 照らして
照らして
8月19日の夕涼みライブ&観望会への会場アクセスについて
・会場駐車場はありません。(駐輪場はあります)。送迎での乗り降りにご協力ください。
また、臨時駐車場をご利用ください。
・少雨決行となります。急な雨に備え、雨具をご持参ください。
・水筒や水分補給用の持ち込みはOKです。また、会場の出店をご利用ください。
・8月19日の緊急連絡先は、070-1271-3164となります。緊急の際はご連絡ください。
不要不急の連絡はしないようお願い申し上げます。
ライトダウンして、星空を見上げてみませんか!
(8月19日の星空)
旧暦の七夕(8/22)に近いこの日、東の空の低いところには土星が、高いところには1等星のベガ(こと座)、アルタイル(わし座)、デネブ(はくちょう座)が描く「夏の大三角」が
輝いています。ベガとアルタイルは七夕の織姫星と彦星で、その間には天の川があり南の空へと続いています。南の空では天の川の近くで1等星のアンタレス(さそり座)が明るく見えているでしょう。西の空には1等星のアークトゥルス(うしかい座)やスピカ(おとめ
座)、そして新月から3日が経過した細い月が輝いています。
会場ではNPO法人八重山星の会によるわかりやすい星空ガイドで満天の星をゆったりとお楽しみいただけます。皆様のお越しをお待ちしています。
また、自宅や職場でもライトダウンして、星空を見上げてみませんか!
石垣島天文台ホームページではモニターサイトも公開しています。よろしければ是非こちらもご覧ください。
南の島の星空を石垣島天文台「天の川モニター」で眺める
https://www.nao.ac.jp/news/blog/2023/20230809-ishigakijima.html
※画像は2023年8月19日(土曜日)20時の石垣市の星空
南の島の星まつり2023プログラム
●星空ウィーク 8月19日(土曜日)~8月27日(日曜日)
●プログラム
1.夕涼みライブ&観望会
8月19日(土曜日)南ぬ浜緑地公園(サザンゲートブリッジ先)
開場17時30分 開演18時30分 閉演21時00分
出演アーティスト:パーシャクラブ BAGADABAND
入場無料。会場には星に関するPRブースや出店もあります!!
※雨天の場合は開催2日前を目安に判断し、市民会館にて整理券を発行して会場変更する場合があります。
【南の島の星まつり2023の情報サイト】※石垣市公式観光情報サイト内
https://ooritoori-ishigaki.com/
2.星まつり講演会&「恋する小惑星」Kirakiraトークショー
8月20日(日曜日) 石垣市民会館中ホール(入場無料)
開場13時30分 開会14時00分 閉会16時30分
・星空短歌結果発表&東里梨生さん(元やなわらばー)の短歌をモチーフにしたオリジナル曲LIVE
・「恋する小惑星」Kirakiraトークショー
・講演(国立天文台科学研究部 野村英子教授)
3.VERA特別公開
開催場所:VERA石垣島観測局
開催日時:8月20日(日曜日)10時~16時
定員制限はなく、申し込みも不要です。
VERA20mアンテナの紹介、ポスターを使用した研究解説などを行います。
4.天体観望会
開催場所:石垣島天文台
開催日時:8月20日、23日、24日、25日、26日、27日
20時00分~20時45分
料金:一般500円 小中高生300円 未就学児無料
5.宇宙シアター体験
開催場所:石垣島天文台(石垣市星空学びの部屋)
開催日時:8月19日、20日、23日、24日、25日、26日、27日
15時30分~16時15分
料金:一般400円 小中高生200円 未就学児対象外
6.天文台施設見学
開催場所:石垣島天文台
開催日時:8月19日、20日、23日、24日、25日、26日、27日
10時~15時
料金:一般100円 小中高生100円 未就学児無料
※4,5,6について、星空ウィーク期間中に来場された方に記念品をプレゼント♪
また、事前予約制となっておりますので必ずお電話での予約をお願いします。
7月1日から受付開始。申込先(お問い合わせ先):石垣島天文台(要電話予約0980-88-0013)
【石垣島天文台ホームページ】
7.JTAプレゼンツ「美ら星の歌~星に願う短歌募集~」
・星に願うあなたの想いを短歌で募集
・募集テーマ
1.星や天の川に願いたい心情、祈り、希望、恋歌。
2.星、星座、七夕、星空、天の川、きらぼしなど星や宇宙をあらわす言葉や星にまつわる言葉を必ず用いた短歌(5・7・5・7・7の5句31音の一首)を募集。
3.応募のあった短歌をモチーフに元やなわらばーの東里梨生さんが、オリジナル曲を作ります。そして8月20日の星まつり講演会にて演奏します。
※オリジナル曲制作に係る短歌の着想、句の諸権利はご提供頂くことに予めご了承ください。
・賞 美ら星賞 2首 副賞 東京=石垣往復航空券 ほか
特別賞 1首 副賞 那覇=石垣往復航空券 ほか
・表彰された短歌、又は応募のあった短歌をモチーフに元やなわらばーの東里梨生さんがオリジナル曲を作ります。星まつり講演会にて発表予定。
・募集期間:6月23日~7月31日(締め切り・消印有効)
8. プラネタリウム特別上映(「ぷしんちゅ」になろう)
開催場所:いしがき島 星ノ海プラネタリウム
開催日時:8月19日、20日
詳細はホームページをご確認ください。
【いしがき島星ノ海プラネタリウムホームページ】
https://ishigakijima-planetarium.jp/
※プログラムについては、予告なく変更する場合もございますので予めご了承願います。
南の島の星まつり2023の開催について
夕涼みライブ&観望会開催決定!
8月19日~8月27日を星空ウィークとして各種プログラムを開催します。
まずは、メインプログラム「夕涼みライブ&観望会」の告知です。
その他のプログラムについては、近日発表です。
■イベント名/プログラム名:南の島の星まつり2023/夕涼みライブ&観望会
■日程:8月19日(土曜日)
■会場:石垣市南ぬ浜緑地公園
■開場 17時30分 開演18時30分
■夕涼みライブ出演: パーシャクラブ、バガダバンド
■料金:入場無料
■お問い合わせ:南の島の星まつり実行委員会(石垣市観光文化課)
電話番号0980-82-1535
URL: https://ooritoori-ishigaki.com/hoshimatsuri/

この記事に関するお問い合わせ先
企画部 観光文化課
〒907-8501 沖縄県石垣市字真栄里672番地
電話番号:0980-82-1535
Tourism Culture Division, Planning Department
672, Maezato, Ishigaki city, Okinawa 907-8501
TEL : (+81)980-82-1535
MAIL : kankou@city.ishigaki.okinawa.jp
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更新日:2023年08月18日