国民健康保険税の滞納が続いた場合
国民健康保険税の滞納が続いた場合
国民健康保険税は、地方税法(昭和25年法律第226号)第706条の規定により、水利地益税等と呼ばれ、その滞納処分に関しては、地方税法第728条第7項の規定により、国税徴収法(昭和34年法律第147号)に規定する滞納処分の例によるとされています。
納期限を過ぎてもなお、国民健康保険税の滞納を放置しておくことは、納付意識の希薄化につながるのみならず、きちんと納付いただいている方との公平性も保てなくなります。そういった事態を回避するため、再三の納付催告に対し反応がない、または納付可能な状況にも関わらず自主的な納付に応じていただけない場合、国民健康保険税を滞納している方に対しては、法令に基づく「滞納処分」を行う場合があります。
滞納処分とは
税金を滞納している人の意思にかかわらず、滞納となっている税金を強制的に徴収するため、その滞納している人の財産を差し押さえ、場合によっては、その財産を公売等により換価(金銭に換えること)し、滞納している税金等に充てる一連の強制徴収手続きを滞納処分といいます。
滞納処分等の流れ
滞納処分等の手続きの基本的な流れは以下のとおりとなります。

納期限を過ぎると滞納となります。
定められた納付すべき期限(納期限)までに納めないことを「滞納」と言います。滞納になれば市から督促や催告により納付を促されることになります。
また、納期限の翌日からは、滞納する本税が完納するまでの間、延滞金が加算されるため、納付が遅れるほど延滞金は増えます。
※なお、延滞金も法令等により納付が義務付けられており、本税は完納したが延滞金だけが残っている等の場合でも、滞納処分の対象となります。
法令に基づく督促状の送付
納期限を過ぎても納付されない場合、納期限から20日以内に督促状が送付されます。督促状は単に納付を催告するだけのものではなく、法令に定められた滞納処分の前提手続になり、納期限を過ぎても納付がなければ、督促は法律に基づいて必ず送付されます。
地方税法第728条第1項第1号の規定では、督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないときには、「滞納者の財産を差し押さえなければならない」とされていますので、督促状を受け取った場合は速やかに納付してください。
※なお、納期限を過ぎてから納付された場合、行き違いで督促状がお手元に届く場合がありますがご了承ください。
電話や文書等による催告
督促状が送付されても納付しないときは、電話や文書催告または訪問により自主的に納付していただくよう納付の催告を行うことがあります。
財産調査及び捜索
督促や納付の催告を行っても納付に応じていただけない場合は、国税徴収法第141条および第142条から第147条の規定に基づき、滞納者への事前の了承を得ずに、官公署、金融機関、勤務先、取引先、滞納者の財産を占有する第三者に対して財産調査を行います。また、財産の発見、差押えなどの必要がある場合、滞納者やその関係者の住居等を相手方の意思に関わりなく強制的に捜索する場合があります。
本人の同意を得ず、金融機関等へ財産調査を行うことが、個人情報保護法に違反しないのか?というお問い合わせをいただくことがありますが、法令に基づく調査のため、個人情報保護法の違反には該当せず、金融機関、勤務先、取引先、その他関係機関は調査に協力しなければなりません。
財産の差押え
財産調査により差し押さえる財産を決定し、滞納者の財産を差し押さえます。差押えを行った場合、財産によっては滞納者だけでなく、その財産の利害関係者(金融機関、勤務先、取引先、不動産の抵当権者等)に「差押通知書」が送付されます。
差押する財産の選択・決定は、滞納処分を行う職員(徴税吏員といいます)裁量に委ねられており、原則として差押財産を滞納者が指定したり差押えを拒否することはできません。
不動産の差押えが行われた場合
・不動産の登記簿上に「差押」と記載されます。
・抵当権者等、登記簿上の権利者に「差押通知書」を送付し、不動産を差し押さえたことを通知します。
・差押不動産は、法律上の処分(売買、贈与)や事実上の処分(毀損、破棄)を禁止されます。仮に差押後に所有権の移転があったとしても、差押登記が優先的に存在するため、所有権移転前の滞納者の財産として換価公売することが可能な状態となります。
・差押後も納付が無い場合は、公売され滞納市税等に充当されます。
給与・預貯金の差押えが行われた場合
・給与の場合は勤務先へ、預貯金の場合は金融機関へ「差押通知書」を送付します。
・給与差押は、滞納市税が完納に至るまで、毎月の給与等から一定額が差し引かれます。
・差し押さえられた預貯金や給与は、取立後に滞納市税へ充当されます。
差押対象となる財産の種類
給与や預貯金、不動産の他にも、生命保険契約や自動車、有価証券、家賃収入、売掛金、動産(電化製品、貴金属、骨董品、絵画等)など、金銭的価値があり換価処分により税に充当することが可能なものは全て差押えの対象となります。
滞納処分に関するよくある問い合わせ
質問1 納税者本人の同意のない財産の差押えは違法ではないか?
⇒回答1 法令では、「督促状は発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、財産を差し押えなければならない」(地方税法第728条第1項)と規定しており、差押えは、事前連絡や納税者の同意を必要としない正当な行政処分となります。
質問2 納税者本人の同意を得ず金融機関等へ財産調査を行うことは、個人情報保護法違反ではないか?
⇒回答2 個人情報保護法第20条は、「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならない。」と規定されていますが、法令に基づく場合は除外されます。国民健康保険税の滞納処分は、国税徴収法に基づく調査により行われるため違法ではありません。
質問3 市役所の職員は、税務署職員のような財産の差押えを行う権限を持っているのですか?
⇒回答3 市役所にて税金徴収の事務を行う職員は、地方税法の規定により、税の賦課徴収に係る検査及び調査又は延滞金の徴収等について市長の職務権限を委任された徴税吏員となります。徴税吏員の職務となる滞納処分の手続きは、国税徴収法に規定されていますが、地方税法をはじめとする公租公課の徴収に関する法令にも準用されていますので、滞納処分は「国税徴収法に規定する滞納処分の例による」ことになり、税務署職員と同様に法令に基づく滞納処分を自らの判断で執行できる権限を有しています。
この記事に関するお問い合わせ先
市民保健部 健康保険課 保険税係
〒907-8501 沖縄県石垣市字真栄里672番地
電話番号:0980-87-9045
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更新日:2025年12月02日