第3章 推進施策

更新日:2020年08月27日

第3章 推進施策

基本目標1 すべての市民がともに活き活きと暮らす社会

基本施策1 推進体制の整備

(1)啓発活動の推進

【現状と課題】

〇アンケート調査による「地域や市民の障がい者に対する理解が深まったと思う割合」は24.8%と、いまだ低い状況にあります。

〇精神保健福祉普及月間でのパネル展やリレーエッセイ、障害者週間市民のつどいの開催、各課による研修会等を実施していますが、十分とは言えない状況にあります。平成28年度から講習会等の啓発事業実施を予定しています。

【市民の声】

〇障がい者に対してもっと理解して欲しい。地域の理解が進んでいくことを望みます。

〇学校(小・中・高)で障害に対する講話やロールプレイングなど道徳、ホームルームの時間に取り入れて話し、具体的な支援、心ある言葉のかけ方などを取り入れていくことを希望します。

〇障がい者の周りの方々から変わっていかなければ何の改善にもならないと思います。把握することはもちろんですが、啓発していく事も必要に思います。

〇障がい者に対して理解がないのではなくて、そういう機会がない、経験したことがないためにどうしていいのかわからないんだと思う。自分の子どもが発達障害だったことをきっかけに、いろいろ調べ、知ったことが多かった。

〇自分自身が障がい者になってわかったこともある。

〇私たち障がい者自身も、自らの声で、障害について理解を求める声を出していくことも必要。

≪施策の方針≫

障害にかかわる問題は、一人の人間として基本的な人権問題であり、すべての市民の共通の問題として捉えていく必要があります。

障害に対する様々な偏見や差別意識といった「こころのバリア」を取り除いていくための普及啓発活動や、多様な障害を理解していくための福祉教育などの充実を図ることが重要なこととなっています。

〇障害に対する理解と認識を深め、一人ひとりの人権が尊重される社会のなかで、共に生きる共生の心を育む普及啓発活動を推進します。

〇「障害者週間」等の各種行事などを中心に、市内の障がい者関係団体及び福祉関係団体等と連携し、障害や障がいのある人に対する正しい理解と認識を深めるため、当事者を講師とした講演会の開催や多様な交流機会の拡充を図るなど、「こころのバリア」を取り除くための多様な取り組みを積極的に進めます。

〇保育所(園)、幼稚園、各学校等との連携により、「車いす体験」、「アイマスク体験」等の体験学習や「特別支援学校」に通う子どもたちとの交流活動を積極的に支援するなど、幼少期から障害に対する理解を深める教育を推進します。

○生涯学習の一環として開催されているまちづくり市民講座「ゆめみらい」等の活用を含めた各種学級及び講座等に障がい者福祉に関する学習内容を取り入れ、障害に対する理解を深める機会の充実を図ります。

≪重点施策≫

〇広報・啓発活動の充実

〇教育・保育の場における、福祉教育の推進

(2)障害を理由とする差別の解消

【現状と課題】

〇アンケート調査による「差別や嫌な思いをしたことがある」とする回答割合は57.2%と過半数を占め、嫌な思いをした場所の上位は「外出先(47.5%)」、「学校や職場(37.7%)」「住んでいる地域(22.8%)」等となっています。

【市民の声】

〇福祉の仕事に携わる施設等職員のレベルを上げてほしい。理解がない。障がい者はかわいそうな人ではありません。何もできない人でもありません。

〇障害があるなしに関係なく、差別をしないで助け合ってほしい。相談にのってほしい。

〇社会において差別・偏見がまだ感じられ、当事者本人の心のケアなどを講じてほしい。

≪施策の方針≫

障害者基本法では「社会への参加を制約する、障害を理由とする差別その他の権利利益を侵害する行為が禁止されなければならない」としています。この原則を具現化するため「障害者差別解消法」が制定されました。

障がいのある人が、どのような場においても社会的障壁を感じることがないように、障害の特性に関わる配慮、障がいのある人の人格が尊重されるように、関係機関と連携した普及啓発活動に取り組み、障害を理由とした差別の解消施策を積極的に推進します。

〇障害を理由とする差別や嫌な思いをすることがないように、差別を感じることが多いとされる地域や学校・職場(企業)等と連携し、障害を理由に不利益を被ることが無いように啓発活動を行います。

〇当事者団体や福祉関係機関、団体等と連携し差別解消に向けた具体的施策の在り方や実施方法の充実に向けた取り組みを進めます。

≪重点施策≫

〇差別解消に向けた広報・啓発活動の推進

〇障害への理解、人権擁護に対する啓発活動の実施

〇出前講座等の啓発活動の充実

(3)福祉関係団体等の活動支援

【現状と課題】

〇市内には、八重山身体障害者福祉協会をはじめとする当事者団体や障がいのある子を持つ親の会等の団体等があります。

〇諸団体の活動への参加協力や、育成補助金を交付する等の活動支援を実施しています。

【市民の声】

〇病気であれ、障害であれ新生児として、生まれてから何回も手術をしていく親の経験を語ることができればと思っています。だから、親の会を立ち上げ、新しく障がいのある子どもの保護者に、なにもかもはじめてのことをいろいろ教えていきたい。

〇市内に障がい者団体等は数多く存在するが、こうした団体が日常的に集まる場所や何かやろうとする時に使える場所がないので、みんなが利用できる場所を提供してもらいたい。(現在、石垣市社会福祉協議会(以下「社協」という)のボランティア室を月1回無料で利用しているが、その他の施設は有料)

≪施策の方針≫

障がいのある人の当事者団体や関係団体の活動は、障がいのある人の交流や生きがいづくりの場として、また、障害に関する多様な情報、会員相互の経験を活かした社会生活、日常生活に関するアドバイスを行うなど、住み慣れた地域での自立生活を支える重要な役割を担っています。今後とも、障害のある人の各ライフステージにおける多様な支援活動を行うことができるように、制度やサービス利用に対する情報の提供、利用できる場の創設、活動運営費の助成を行うなど、団体活動の円滑な運営に向けた支援を行います。

○障がいのある人を社会全体で支えていくことができるよう地域ボランティア、障がい者団体の育成や立ち上げ支援を行います。

〇社会福祉協議会や関係機関と連携し、公共施設の利用に対する緩和を行うなど、各団体等が気軽に集まれる場の確保に向けた取り組みを進めます。

〇障害福祉サービスの利用や制度などに関する情報提供を積極的に行うとともに、円滑な活動を推進するための活動費の助成を含めた支援を行います。

≪重点施策≫

〇障がい者団体、NPO団体等の活動支援

〇活動の場の創設

〇施設利用緩和

(4)情報・コミュニケーション支援の充実

【現状と課題】

〇アンケート調査による、福祉サービスに関する情報の入手先の第1位は、「本や新聞、雑誌の記事、テレビやラジオのニュース」で35.0%なっており、情報を容易に入手できるように音声や点字など、障害の特性に応じた情報提供を図る必要があります。

〇点字・声の広報等の発行を、委託事業により実施するとともに、専従手話通訳者1名を配置し、庁内通訳や派遣対応が不可能な時に代行通訳を実施しています。また、毎年、養成講座を開催していますが、派遣に繋がる程度の拡充が出来ず人員不足が課題となっています。

〇障がい者福祉施策の周知が不十分な状況にあるため、平成27年度に各種給付概要、発達支援に関する事項を含めた総合的なガイドブックの作成を予定しています。

〇平成24年度に、緊急時に手話通訳者を派遣することができる『八重山圏域聴覚障がい者緊急通報システム』を立ち上げ実施しております。消防本部も加盟していることにより救急車、消防車要請はできるようになりましたが、その他の緊急時の対応が不十分な状況にあります。

【市民の声】

〇利用したいサービスや必要とする情報を整理し、わかりやすいガイドブック等を作成してほしい。(必要な情報別のパンフレットや冊子・手引きなど)

〇地震、津波、台風などの災害発生情報を即時に伝えることができる情報伝達システムや設備を充実させてほしい。聴覚障がい者は、音だけではわからないので、迅速な対応が遅れる。目でも確認できるように、赤色灯等を併用した情報伝達機器があればよい。

〇病院、銀行、観光施設(空港、港)等においては、誰でもわかりやすい案内表示板や呼び出しベル等を設置してほしい。(視覚、聴覚障がい者への配慮)

≪施策の方針≫

障がいのある人が、住み慣れた地域で質の高い日常生活や社会生活をおくることができるようにあらゆる場面で、必要な情報を取得し、利用できる情報のバリアフリー化を推進するとともに、更なる円滑なコミュニケーション支援に努めます。

○障がいのある人が必要とする情報の入手やコミュニケーションを容易に行うことができるよう手話、音訳、点訳、要約筆記等の拡充と、それらを担う人材の育成・確保及び関係機関との連携強化に努め情報のバリアフリー化やコミュニケーション支援の充実に取り組みます。

○障がいのある人が台風、地震、津波などの災害発生時等における緊急時の情報を迅速かつ、正確に把握し迅速な行動を起こすことができるよう情報伝達手段の整備・拡充に努めます。

○障がいのある人の積極的な社会参加や日常生活に必要な各種支援施策や支援機関等の情報、支援内容を整理し、障がいのある人に分かりやすく提供していくため、パンフレットや総合ガイドブックの作成、インターネット、二次元バーコード等を活用した情報提供に向けた取り組みを進めます。

○各種関係団体等との定期的な懇談会や情報交換会を開催し、最新の制度情報やサービスメニュー等の説明、情報提供を行うなど、必要とする情報をわかりやすく伝える機会の充実を図ります。

≪重点施策≫

○インターネット、二次元バーコード等を活用した多様な情報提供基盤の整備

〇音訳、点訳等による情報提供やコミュニケーション支援の充実

○「福祉ガイド」、「福祉マップ」等の作成

○手話通訳者や音訳者等の人材育成の充実

〇聴覚障がい者緊急通報システムの充実

○関係機関との定期的な懇談会や情報交換会の開催

(5)権利擁護の推進

【現状と課題】

〇平成24年10月「石垣市障がい者虐待防止センター」を設置し、障がいのある人の権利擁護に関する相談や虐待防止対策に対する取り組みを進めていますが、アンケート調査による同センターの認知度は「わからない」の回答が73.4%となっており、センター自体の存在やセンター機能に対する周知が課題となっています。

〇平成23~26年度中、障がいのある人の成年後見制度における市町村申立利用者は2名となっています。潜在的な利用意向があるものと考えられますが、アンケート調査による「成年後見制度の認知度」では、内容を知らないとする割合が74.4%となっており、制度利用に対する周知が課題となっています。

〇選挙や司法手続き等において、障害を理由に公平さに欠ける実態があることも、人権擁護の観点から課題となっています。

【市民の声】

〇不当な扱いを受けた場合に、弁護士やケースワーカー等に気軽に相談できる場所等があればよい。(なかなか、人権擁護員や社協さんが実施する相談等の情報が得られず、つながりにくい)

≪施策の方針≫

市民一人ひとりの人権を尊重する意識の高揚を図るとともに、福祉サービスを主体的に選択し、住み慣れた地域社会のなかで自分らしく暮らし続けることを保障する環境づくりや、介助者や家族等の高齢化を見据えた成年後見制度の必要性の高まりを踏まえ、成年後見制度の利用に対する普及啓発を図るなど、障がいのある人の人権擁護に対する取り組みを進めます。

○日常生活上や福祉サービスを利用する場合に不利益を受けることがないよう日常生活自立支援事業の周知を図るとともに、利用を促していくための支援を行います。

○関係機関等と連携し成年後見制度の周知活動を行うとともに、制度利用を促進します。

〇「沖縄県障がいのある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例」に基づき、沖縄県と連携し、障がいのある人の権利擁護を推進する体制づくりに取り組みます。

○「石垣市障がい者虐待防止センター」において関係機関と連携し、障がいのある人に対する虐待防止と被害者保護への取り組みを実施します。

〇選挙における投票場の設備や投票の在り方、司法手続きに要する意思疎通支援の在り方について、実態調査や改善に向けた環境整備の推進に努めます。

≪重点施策≫

○障がいのある人の権利擁護に対する取り組み

○成年後見制度、日常生活自立支援事業の周知と実態把握

〇石垣市障がい者虐待防止センターの機能強化

〇選挙や司法手続き等における環境整備

基本施策2 交流機会の充実

(1)交流の場の充実

【現状と課題】

〇地域活動支援センターや福祉施設等の協力により実施していますが、休日の居場所がない状況にあり、いつでも気軽に集まれる場の整備が課題となっています。

〇中央運動公園施設の無料化を実施していますが、健康福祉センターを含むその他公共施設においても利用緩和を望む声が多くあります。

【市民の声】

〇ボランティアなど、学生時代にもっと多くの交流機会があれば、世の中もっと理解ある大人が増えると思う。理解ある大人(親)が増えれば、自然に子ども達も理解します。

〇市内に障害者団体等は数多く存在するが、こうした団体が日常的に集まる場所や何かやろうとする時に使える場所がないので、みんなが利用できる場所を提供してもらいたい。(現在、社協のボランティア室を月1回無料で利用しているがその他の施設は有料)

(再掲)

≪施策の方針≫

障がいのある人と多くの市民が多様な機会を通して交流し、障害に対する理解を深め、お互いの立場を尊重することができる環境づくりに取り組みます。また、障がいのある人同士が集い、活動の輪を広げていくことができるように、居場所等の交流の場を拡充します。

○地域活動支援センター、福祉施設、親の会、関係団体等との連携により身近な地域での交流の場づくりに努めます。

○各地域の自治公民館、子どもセンター並びに公共施設の利用状況や空きスペース等の状況等を踏まえ、身近な地域で気軽に集まり、ゆんたく(おしゃべり、団らん)や情報交換、交流活動などが行える居場所づくりを進めます。

≪重点施策≫

○多様な関係機関との連携による交流機会の充実

○公共施設の有効活用と施設利用緩和の推進

○身近な地域での居場所づくり

○コミュニケーション支援の充実

〇地域活動支援センターの拡充

(2)交流支援体制の確立

【現状と課題】

〇同行援護等のサービスの提供やイベント会場、講演会会場等に手話通訳者等の派遣事業を実施していますが請負者、登録者の拡充が課題となっています。

〇「地域福祉ネットワーク推進会」における定例的な会議の開催、要援護者訪問、見守り、社協ボランティアセンターによる交流会などを開催しています。

〇アンケート調査において、地域活動に参加している割合は、31.0%程度となっています。

〇平成23年度に、障がい者スポーツをとおして八重山地区の障害福祉ネットワークの構築と障がい者の社会参加の促進、余暇活動の普及及び充実を図る目的で、当事者団体、障害福祉サービス提供事業所及び行政機関等で組織する「八重山地区障がい者スポーツ大会実行委員会」を発足しました。平成25年度には、文化面にも活動の枠を広げ、余暇活動のさらなる充実を図るため、「八重山地区障がい者文化・スポーツ振興会」へ名称を変更し、毎年、「八重山地区障がい者スポーツ大会」と「八重山地区障がい者美術展」を開催しています。

【市民の声】

〇石垣島まつり会場で、障がい者専用駐車スペースを確保してもらうことができた、こうした配慮をすべてセットにして整備してくれると、気軽に祭りやイベント等に参加しやすい。こうした環境整備をお願いしたい。

≪施策の方針≫

障がいのある人が、自由に集い、気の合う仲間をつくることや多様な市民と語り合い、ゆったりとした時間をすごす等、地域のなかで生きがいをみつけ自分らしく、生活の質を高めていくことができる環境づくりに取り組みます。

○保育所(園)、幼稚園、学校教育機関等相互の連携により、幼児期から障がいのある人との交流機会の充実に努め、障害に対する理解を深める活動を支援します。

○「障がい者週間・市民のつどい」等の行事を活用し、障がいのある、なしに関わらず全ての市民が交流を深める機会の充実に努めます。

○憩いの場や交流活動を支援していくとともに、障がいのある人にかかわるイベントを支援するボランティア、NPO団体等の活動を支援します。

○交流の場となる公共施設等のバリアフリー化や施設利用に対する緩和を図るとともに、イベント会場や交流の場等への手話通訳者、要約筆記者等の派遣を行う等コミュニケーション支援の充実に努めます。

〇多様な社会参加を促進していくため、イベント会場や公共施設における障がい者専用駐車場の確保を行うなど障害に配慮した付帯施設の設置を進めます。

≪重点施策≫

○スポーツ・レクリエーション、文化活動事業の充実

○コミュニケーション支援の充実

〇八重山地区障がい者文化・スポーツ振興会との連携強化

基本施策3 保健、医療体制の充実

(1)障害の早期発見と発達支援の充実

【現状と課題】

〇発達障がい児(LD、ADHD、アスペルガー症候群、高機能自閉症等)に対するニーズの高まりの中で、母子保健事業や医療機関、教育・保育との一貫した連携体制の構築を図るとともに、専門性を高めた人材等の適正配置等による早期発見、早期支援体制の一層の充実が必要です。

〇生活習慣病予防のための健康診査及び保健指導を健康福祉センター等で行っており、障害の要因となる疾病の早期発見、早期治療に努め、健康づくりに取り組んでいます。

〇平成26年度より健康福祉センターが相談窓口となって、乳幼児健診において支援が必要となる子どもたちに対し、就学・就労支援まで途切れることなく一貫した支援を行う発達支援システムの構築に取り組んでいます。

〇平成27年度に各種給付概要、発達支援に関する事項を含めた総合的なガイドブックを作成する予定です。(再掲)

【市民の声】

〇石垣市に巡回診療で来るのは神経の先生。発達障害に関して専門家の先生は沖縄県にはいない。 専門医を一人でもいいので沖縄県に派遣してほしい。

〇小児発達センターがないので、小さいころから訓練できる場所がほしい。

≪施策の方針≫

発達障害、難病等を含め、障害の種類は多種多様化しています。現在実施している各種健診や健康相談、保健師による保健指導等の充実を図るとともに、教育・保育関係機関や地域の子育て支援の場との連携による「気づき」等を通した障害の早期発見・早期支援へと導く施策の充実を図るとともに、生活習慣の改善を含めた予防対策の充実と早期治療へとつなぐ取り組みを進めます。

また、子どもの発達が気になる保護者が、発達支援の必要性や障害を受け入れ、子どもの状況に応じた適切な発達支援ができる体制づくりに取り組みます。

○特定健診、特定保健指導の充実等、健康づくりに対する取り組みの強化に努め、適切な生活習慣の確立、生活習慣病の予防対策に取り組みます。

○医療機関、関係団体との連携により、ストレスや心の病気に対する正しい知識や情報を提供する機会として「こころの輪の集い」の充実を図ります。また、こころの健康づくり等に対し身近な場所で気軽に相談できる環境づくりを進めます。

〇乳幼児健康診査の充実を図るとともに、沖縄県が実施する市町村発達障害者支援体制サポート事業と連携した事後フォローの充実を図ります。また、保育所、子育て支援拠点施設等と連携し、「気づき」による早期発見を支援する体制を整えるなど、障害の早期発見と適切な支援につなぐ体制整備に取り組みます。

○福祉保健所、医療機関等との連携強化に努め、一貫した相談体制に基づき、一人ひとりの状況に応じた継続性のある適切な支援へとつなぐ発達支援システム構築の推進や、多様な専門職による包括的な発達支援に向けた諸施策に取り組みます。

≪重点施策≫

○障害の予防対策の充実

○早期発見・早期支援に向けた体制強化

○療育相談支援の取組み強化

○各種乳幼児健康診査、特定健診、保健指導の充実

○心の健康づくり事業の推進

〇発達支援システム構築の推進

(2)医療受診に対する支援

【現状と課題】

○発達が気になる子も含めた、発達障がいの疑いの子ども支援のニーズが高まる中で、県内において専門医療機関等が不足しているため、適切な医療受診を受けるために長期間待たされるなど、スムーズな医療機関の受診にかかわる体制づくりが求められています。

【市民の声】

○発達障害や病気に対して、専門知識、アドバイスができる人材が不足しているため適切な情報を得ることができない。(神経内科、口腔外科など)

○発達障害等の診断や障害の状況に応じた専門的な治療を受けるために、本島にいかなければならない状況が多いが治療や入院等に伴う交通費、付添い費用などの負担が大きいため、費用負担の軽減策を実施してもらいたい。また、診察費の払い戻し手続きが病院で出来ると助かる。

〇術後の経過観察等、南部医療センター等と連携した巡回診療(2、3ヶ月に1回程度)をお願いしたい。(おかしいと思っても本島まで行くことになるので我慢しているケースが多い)

〇新しい病院(八重山病院の建替え整備)では、診察の順番が来たことを知らせる呼び出しベルの設置や障害に配慮した設備(特別な部屋等)を整えてほしい。

〇付添いの親は、入院の期間中に、サマーベットの寝袋などで1ヶ月間を過ごす。これが現状です。県立南部医療センターにある「がじゅまるの家」のような機能を要望する。

〇障がいのある子どものショートステイの場がないので、親が介護などから解放される時間がない。ショートステイの要望は多いと思う。

〇障がい児などの入院期間中に、介助者の支援を行うためのヘルパーなどの派遣をしてもらいたい。

≪施策の方針≫

障害や難病を抱える市民が、医療機関受診までに長期的に待つことなく、スムーズに障害等に係る適切な診断や治療を身近な地域で受けることができるように、沖縄県や、医療関係機関に対し地域医療支援体制の充実を図るための要請を行います。

また、各種医療費助成制度の適正な給付や支給を行い、医療受診に対する費用負担の軽減を図ります。

○自立支援医療の周知と支給に努めます。また、重度心身障害者(児)医療費助成に関する周知を図るとともに、その利用を促進します。

○障がいのある人が、必要とする医療を適切に受診することができるよう関係機関との連携により、巡回診療を含め地域医療支援体制の充実に向けた取り組みを進めます。また、口腔ケア、歯科治療の受診に対する支援を行います。

≪重点施策≫

○自立支援医療及び重度心身障害者(児)医療費助成の周知

○八重山福祉保健所と連携した特定疾患患者の早期把握と支援

〇入院期間中における、介助者の支援を行うためのヘルパー派遣事業の実施

基本目標2 すべての市民がともに活動する社会

基本施策1 人にやさしいまちづくり

(1)生活環境のバリアフリー化の推進

【現状と課題】

〇「石垣市福祉のまちづくり条例」に基づき、ホテルや大型スーパーに対しこれまで適合証を9件交付するほか、更なるバリアフリー化に向け取り組んでいます。

〇アンケート調査から、外出の時困ることの第3位に「外出先の建物の設備が不便(通路、トイレ、エレベーターなど18.0%)」があげられています。

【市民の声】

○スーパーやショッピングセンター等の障がい者専用駐車場に一般市民が駐車するケースが多い。(障がい者ステッカーは誰でも買える、利用する市民のモラルの問題)

〇市内の道路は、歩道が途中で切れている箇所や歩道の段差が大きいため、車道にはみ出して利用しなければならない箇所が多く、危険を感じる。

〇運動公園側から反対側に渡ろうとするときの横断歩道の青信号が短い箇所があり、障がいのある子どもが安心して渡れる時間設定にしてもらいたい。

〇学校や公園などに障がい者に配慮したトイレが少ない。陸上競技場、総合体育館の駐車上の配置や看板の設置など。新しく整備されても、障害に配慮されておらず、整備がちぐはぐなものになっている。

〇公共施設等を建設する場合には、障がい者の意見を十分に反映させてほしい。新空港建設の場合には1回きりで、出来上がりに期待したが当事者にとっては使い勝手が悪い。八重山病院建設には、途中経過がわかるようにしてもらいたいと期待している。

≪施策の方針≫

障がいのある人が地域社会のなかで快適で利便性の高い日常生活や社会参加を行うことができる環境づくりが大切です。

積極的な社会参加を行うことが、市民の自然な姿であることを前提とし誰もが安全で快適な暮らしを享受できる社会となるよう、ユニバーサルデザインの視点に立ったバリアフリーの整備を推進します。

○「石垣市福祉のまちづくり条例」に基づき、ユニバーサルデザインを基本としたバリアフリーの整備を推進します。

○「福祉のまちづくり適合証交付審査委員会」の意見を、施設のソフト部門に活かす取り組みも合わせ一層の推進を図ります。

○快適で安全な道路環境の整備を進めるとともに、歩道空間や点字ブロック等へバイク、自転車、荷物などを放置しないよう、福祉のまちづくりの一環として「こころのバリアフリー化」に向けた啓発活動を推進していきます。

≪重点施策≫

○ユニバーサルデザインの視点によるバリアフリー化

○「石垣市福祉のまちづくり条例」の普及啓発

〇パーキングパーミット制度の導入に向けた取り組み

パーキングパーミット制度

障害があり、かつ、歩行困難な方等に「身体障がい者専用駐車場利用認定証」を交付し、車に表示してもらうことで、身体障がい者専用駐車場の利用が、誰の目からも適正であることを明らかにしながら、他の駐車場利用者のマナーやモラルの向上につなげていくことを目的とした制度です。

(2)移動・交通手段の充実

【現状と課題】

〇地域の道路交通事情等を考慮し、道路交通環境のバリアフリー化や点字ブロックの敷設などを逐次進めています。

〇北、西部地区の障がいのある人の移動・支援が課題となっています。

【市民の声】

〇公共施設や福祉施設等を巡回する福祉バスがあればよいと思う。

≪施策の方針≫

障がいのある人の移動をより容易なものにし、その行動範囲を広げ積極的な社会参加を促進していくため、安全で利便性の高い道路環境や移動交通手段の整備を図るとともに、障害福祉サービスや地域支援事業に基づく、外出及び移動支援の充実を図ります。

○道路交通整備について、関係事業者と連携を図り、道路交通のバリアフリー整備を推進していきます。

○福祉バスや福祉タクシー、リフト付車輌の普及を図り、公共交通のバリアフリー化を促進します。

○障がいのある人にとってわかりやすい案内標示の設置を行い、施設利用の促進や移動を支援していきます。

○障がいのある人が安心して外出できるよう、多目的トイレの設置や車いす利用が可能な商業施設などを示した「バリアフリーマップ」を作成する等外出しやすい環境づくりに努めます。

○社会福祉協議会、サービス提供事業者等との連携による外出及び移動支援事業の充実に努めます。

≪重点施策≫

○道路及び交通安全施設のバリアフリー化の推進

○誰にでもわかりやすい案内標示板の整備

○公共交通のバリアフリー化の推進

○外出及び移動支援事業の充実

〇バリアフリーマップの作成

(3)防災・防犯対策の充実

【現状と課題】

〇アンケート調査から、火事や地震等の災害時に一人では避難が「できない」とする割合が30.4%、「わからない」が21.6%となっています。また、家族が不在の場合や一人暮らしの場合、近所にあなたを助けてくれる人はいますかについては、「いない」が34.6%、「わからない」が31.0%となっています。

【市民の声】

〇石垣市災害時要援護者登録の話しは知っているが、きちんとした内容がわからない。

〇近くに身内が居ない為、緊急時にどうしたらいいか分からず不安です。

〇人に慣れるのにとても時間を要する方で災害時などの際はとても不安があります

〇意識障害があり、免疫力も低く、経管栄養を実施している方については、災害時はとても不安が大きいです。

≪施策の方針≫

障がいのある人が安心し、安全に生活していくため、台風、地震等の災害や人災に対応した防災対策や防犯対策の強化を一層推進します。

○「石垣市災害時要援護者登録制度」に基づき、関係機関や民生委員児童委員等と連携し個人情報の取扱いに留意するとともに、登録の更新や要援護者の適切な把握を行います。

〇「石垣市地域防災計画」に基づき地域住民、関係機関との連携による避難誘導体制の確立、石垣市緊急時一斉放送システム及び防災一斉メール配信サービスを充実します。

○障がいのある人が、緊急時に対する情報を迅速かつ、正確に把握することができるよう障害の特性に対応した情報伝達手段の充実に努めます。

○地域住民、ボランティア、各事業所等との連携により、防災、防犯活動を迅速に行うことができる体制を構築し、障がいのある人も参加する防災訓練の定期的な実施に向けた取り組みを進めます。

○障がいのある人が、事件や消費者被害にあうことが無いように、防犯知識や悪徳商法などに対する情報をあらゆる媒体を活用し提供します。

○警察、八重山地区防犯協会、自治公民館等と連携し自主防犯・防災組織の立ち上げ支援や防犯活動の充実を促すなど、犯罪が起こりにくく、災害に強い地域づくりに取り組みます。

〇災害時において、要援護者も安心安全に避難生活が送れるよう、また要援護者と関係団体や地域が気軽にふれあえる交流施設として「福祉避難所兼ふれあい交流施設」の利活用に取り組みます。

≪重点施策≫

○石垣市緊急時一斉放送システム、防災一斉メール配信サービスの充実及び普及

○災害時地域支援システムの確立

○防災・防犯活動の促進

〇石垣市災害時要援護者登録制度の周知

○緊急時における避難誘導体制の確立

〇福祉避難所の整備

〇「福祉避難所兼ふれあい交流施設」の利活用

基本施策2 雇用、就労環境の充実

(1)雇用、就労支援の充実

【現状と課題】

〇八重山地区障がい者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所、ハローワーク等とネットワークを構築し、就労意見交換会を開催していますが、雇用の増加までには至っていないのが現状です。

〇障がいのある人の一般就労への移行を支援する事業を4事業所で実施していますが、

雇用先確保などの問題から一般就労へ繋がっていない状況です。

〇今後、県の雇用強化月間に併せ中小企業への要請、提案、助言活動を関係機関と連携して取り組んでいきます。

【市民の声】

〇もっと一人一人の事を理解して仕事をやめないように、続けられるようにして下さい。

〇仕事など普通に探すとき、履歴書などに障がい者であると明記すると断られます。悲しいです。普通の人と変わらずに働けたらいいでしょうね。

〇仕事場の上司が、障がい者に対して理解がない。

≪施策の方針≫

障がいのある人が、社会的に自立し、積極的な社会活動や経済活動に参加するためには、障害の程度にかかわらずその能力に応じた就業機会が均等に保障されることが求められています。障害の状況や状態に応じ、多様な就労ニーズに対応できる就労支援体制の充実に向けた取り組みを進めます。

○一般就労を希望する障がいのある人に対し、就労による社会参加の促進と自立した社会生活の実現という視点に立ち、就労移行支援事業、就労継続支援(A型、B型)等の充実を促進します。

○指定相談支援事業所、障害者就業・生活支援センター、地域活動支援センター等との連携により、障がいのある人の就業に関する継続的な相談体制の充実に努めます。

○相談支援事業や就労移行支援事業所との連携を図り、働く意欲のある障がいのある人が安心して働き続けることができるように、障害への理解や就労環境の改善を促すとともに、職場定着にいたる支援体制の仕組みづくりに取り組みます。

≪重点施策≫

○障がい者雇用に対する理解を深めるための啓発活動の推進

○就労支援にかかわる関係機関等とのネットワークの充実

○障がい者の職場定着への支援

(2)就労機会の拡大と活動の場の創設

【現状と課題】

〇就労意見交換会等を開催し、中小企業への働きかけを継続して実施していますが、実績に結びついていない状況です。

〇市では、平成25年度採用に障がい者枠を創出しました。(雇用率2.41%:平成26年6月時点)

また、訪問販売への協力実施や障がい者支援施設等からの優先調達について、優先調達方針を策定中です。

【市民の声】

〇就労しやすい場も必要だが、企業に対する障害理解の普及啓発活動や、障害や特性に応じて働く場を確保するための話し合いの場の設定が重要です。

≪施策の方針≫

障がいのある人の雇用情勢はまだまだ厳しい状況にあり、障がいのある人の就業機会の拡大と活動の場を創設していくことが求められています。無理なく仕事につき、働き続けることができる就業環境や就労条件の改善を図るなど、障害に配慮した働きやすい職場環境づくりを推進します。

○障がいのある人の雇用機会の拡大を図るため、就労支援事業者との連携により、民間企業に対する各種制度の周知や利用の促進を進めます。また、障がいのある人等の雇用に対する相談支援の充実に努めます。

○障がいのある人の就労移行を支援する観点から、行政における法定雇用率の遵守や民間企業に対する啓発活動を推進します。

○一般企業での就労が困難な障がいのある人の活動の場、福祉的就労の場の確保に努めます。

○障がいのある人が、安心し安全に働くことができるよう就業環境の改善と就労条件の改善に対する理解と協力を深める啓発活動を推進します。

≪重点施策≫

○障がい者雇用に対する啓発活動

○障害に配慮した雇用環境、条件等の改善に向けた事業の紹介

○就労支援事業所への支援

○公共施設を活用した就労の場の確保

○行政における雇用開発の促進、物品等の優先調達の推進

〇福祉的就労の場の充実と機会の創設への支援

基本施策3 教育・保育、文化・スポーツの推進

(1)療育支援の充実

【現状と課題】

〇療育相談支援の推進については、県の委託事業により実施していますが、申請者が増える中で相談支援員が不足している状況にあり、適切な相談支援が不十分な状況にあります。

〇乳幼児健診及び保健指導等の充実化が見られ、健診事後教室から児童発達支援事業者又は、療育機関へつなぐ支援体制はできつつありますが、臨床心理士の確保ができていない状況です。

〇障がいのある児童の保護者等が用事や休養のための支援として、福祉施設等でのショートステイなどの要望が高い状況にあります。

【市民の声】

〇出産してからあきらかに発達の遅れが見える子に対して、早めの療育活動の提案とどの場所の機関に行ってどの流れで成長の発達を専門の先生に見てもらうのか等の支援体制と、いついつの期間に治療受けたとか、母子手帳と別に個別の引き継ぎをしながら記録できる台帳みたいなものを発行してもらいたい。

〇市の療育相談には常駐する言語療法士、心理療法士等がいないため、月に一度しか訓練を受けられず6歳以降は全くない状態です。何とかなりませんか。

〇障がいのある子どものショートステイの場がないので、親が介護などから解放される時間がない。ショートステイの要望は多いと思う。(再掲)

≪施策の方針≫

障がいのある子どもの保護者が障害を理解し、受け止め、専門性のある相談支援を受け、一人ひとりの状況に応じて適切で連続性のある療育支援が受けられるように、発達支援システムの構築を進め、一貫した相談支援に基づき、専門的な発達支援や療育支援体制の充実を図るための取り組みを関係機関と連携して進めます。

○障害を早期に発見し、早期にかかわりを持つことができるよう、母子保健事業、関係機関と連携した「気づき」等を通し日常生活における自立支援や子育てに対する育児不安の軽減に努めます。

○専門性を高めた相談支援体制の充実に努め、一人ひとりの状況に応じた保育、就学へとつないでいくため、障害に早期に関わりを持つことができるよう「親子教室」の周知と取り組みを強化します。

〇保育所から幼稚園、小学校へと連続的に個々の障害の状況やカウンセリング内容、関わり方や関わりの経緯を記録し、障がいのある子どもの成長に応じた途切れのない適切な対応を行うことができる体制づくりに取り組みます。

≪重点施策≫

○専門性を高めた相談支援体制の充実

○発達支援システム構築の推進

○療育支援にかかわる専門職員の配置

(2)教育・保育環境の充実

【現状と課題】

〇加配保育士及び特別支援教育支援員を配置していますが、対象となる児童生徒の増加、障害の多様化により、支援体制を整えることが不十分となっています。

〇体育館においては、全校オストメイト対応トイレの整備、その他既存施設においては、障がいのある児童に合わせて補修整備を順次進める他、校舎建て替え時においては「福祉のまちづくり条例」に基づき整備を行う予定となっています。

〇障害の状況に応じた学習支援を行うため、市立小・中学校の全教室へ電子黒板の配備や特別支援学級児童へのタブレット端末の整備をしています。

【市民の声】

〇根幹となる学校教育から「相手の立場になって考える」という思いやりの心を育む教育に力を入れて欲しいです。

〇発達障害を理解している教職員が少ない(コーディネーターが良く理解していない)。特別支援の知識のある人を最低でも一人学校に配置してもらいたい。

〇学校等における発達障がい児の受け入れや特別支援教育支援員等の数を整え、個々の支援を確実なものにしてほしい。

〇子どもの状況を特別支援担当の先生がわかっていない。小学校低学年の場合には、最低でも2人の先生がついていてほしい。(客観的に授業の様子を見る先生が必要)

〇支援員を障がいのある子ども一人に、ひとりつくようにしてほしい。

〇小学校へ入学予定で支援員をつけてもらえるか相談中だが、3、4月にならないとわからないと言われた。支援員がつかない場合、進路を変更しようにも11月で進路が決まっているので進路変更ができないので不安である。

≪施策の方針≫

障がいのある児童生徒が、各発達段階において個々に持っている能力や可能性を最大限に伸ばしていくため、個々の障害に対応し一貫した相談体制に基づき、一人ひとりのニーズに柔軟に対応し、成長過程の各段階において教育、保育を均等に受けることができ環境づくりに取り組みます。また、すべての教育・保育関係者が個々の障害の状況や個性を理解し、指導の工夫や学習支援を行う体制づくりの一層の充実に努めます。

○就学支援委員会等により、個々の障害の状況を総合的に踏まえ、本人や保護者の意向等を考慮し保育所(園)、幼稚園、小中学校での受け入れ体制の充実に努めます。

○個々のニーズに対応した療育、保育、学習支援に対し専門的に関わりを持つことができるよう保育士、教諭等の資質を高めていくための研修や実践等の機会の拡大を図ります。

○「個別の教育支援計画」作成において、個別の障害や特性に応じた指導や支援方法、学習内容等の創意工夫に努め、障がいのある子どもの状況に応じた幼稚園並びに各学校における専門的な教育と指導支援体制の一層の拡充を図ります。

○障がいのある子ども一人ひとりのニーズやそれぞれの障害に応じた教育、保育が行われるよう支援を行う専門員の配置に努めます。

○適切な教育、保育を提供していくため、障害の状況に応じた教材教具の更なる充実を図ります。

○特別支援学校との連携を図り、障がいのある児童と、障がいのない児童との交流を通してお互いを理解しあう人権教育、福祉教育の充実を図ります。

○障がいのある児童が、学習面や学校生活面で支障をきたすことがないよう、トイレの改善、スロープや手すり設置など学校施設のバリアフリー化を推進します。

≪重点施策≫

○教育・保育施設による受け入れ体制の充実

○保育士、教諭等の資質の向上

○障害の状況に応じた特別支援教育の充実

○特別支援学校との交流教育の充実

○教材教具の拡充

○保育、教育施設におけるバリアフリーの整備

(3)文化、芸術、スポーツ・レクリエーションの充実

【現状と課題】

〇「障がい者スポーツ大会」「障がい者週間・市民のつどい」、また、平成25年度からの「八重山地区障がい者美術展」開催や社会福祉協議会への委託事業での文化活動により、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者等の交流親睦を深めながら内容の充実に向けた取り組みを進めています。

〇民間や地域の経験者の協力体制は出来てきていますが、障がい者スポーツ専門の指導者が不足している状況です。

【市民の声】

〇障害があっても、色々なイベント等に参加出来る石垣市になったら、皆で色々楽しめ、もっともっと”素敵で住みやすい石垣市”になるのではと思います。

〇障がい者も健常者でも共に楽しめ(いろいろな障害のタイプでもOKなように)、アイディアあふれるゲームセンターのような器具やらスポーツ用具やら使える身体機能を思わず自然に動かせ、かつ、楽しい!といえるようなスペースもあればよい。

≪施策の方針≫

障がいのある人が、スポーツ・レクリエーション、文化活動を通じて健康づくりや社会参加の実践活動が盛んになるとともに、生活の質を高め生きがいをもって暮らしていくことができる環境づくりに取り組みます。

また、生涯を通して学習意欲を高め自己実現を果たし、生きがいを持って暮らしていくことができるよう学習環境を整えます。

○障がいのある人が気軽に参加できる環境づくりの一環として、石垣島マラソン大会等のスポーツ大会や交流イベントを通して、障害に対する理解を深め、市民相互のふれあう機会の拡充に努めます。

○関連のある課、団体と連携を深め、独自の取り組みや共催事業により、スポーツ、レクリエーション、文化活動を通した社会参加を拡充します。

○各種文化、スポーツ・レクリエーション活動メニューの充実を図るとともに、指導者の養成、確保に努めます。

○障がいのある人が、多様な文化、芸術活動に参加することができるよう、コミュニケーション支援の充実に努めます。また、多様な文化、芸術活動に対する支援と成果発表機会の提供に努めます。

○障がいのある人が利用しやすい、施設整備や施設利用緩和に向け努めます。

〇まちづくり市民講座「ゆめみらい」等を活用し、多様な学習機会の拡充に努めます。

≪重点施策≫

○文化活動、スポーツ・レクリエーションの充実

○指導者の養成、確保

○コミュニケーション支援の充実

〇八重山地区障がい者文化・スポーツ振興会との連携強化

○生涯学習メニューの充実

基本目標3 すべての市民がともに自立する社会

基本施策1 自立生活支援の拡充

(1)福祉サービスの拡充

【現状と課題】

〇各事業所の協力のもと充実化が図られつつありますが、提供できていない福祉サービスがあり、引き続き整備の促進に向けた取り組みを進める必要があります。

〇入所施設が常に満床で、待機者の解消が課題となっています。また、地域移行の受け皿として、自立訓練サービスやグループホームが不足している状況にあり施設整備の促進が課題となっています。

〇アンケート調査から、障害福祉サービスの利用要件となる障害支援(程度)区分認定について、「わからない」とする回答割合が37.3%となっています。

〇利用できる障害福祉サービスを「知らない」とする回答が67.9%を占め、多くの障がいのある人が、利用できるサービスを把握していない状況がうかがえます。

【市民の声】

〇ほとんど同じような生活、障害なのに支給が違うのが納得できない。

〇障がいのある子どものショートステイの場がないので、親が介護などから解放される時間がない。ショートステイの要望は多いと思う。(再掲)

〇日常生活用品装具の対象者の拡大や障がい者に対する配食サービスの実施など、障がい者ニーズに応じ、個々の状況に応じ、裁量の範囲内で弾力的にサービスを提供する在り方を検討してもらいたい。

≪施策の方針≫

障がいのある人が、必要なサービスを利用し自立していくことを支援していくため、相談支援による利用意向を踏まえ、適切なサービスを提供していくことができるように障害福祉サービスの充実を図ります。

○障がいのある人が個々の状況等に応じ、必要な障害福祉サービスを主体的に選択し利用できるように、サービス利用に対する周知活動の充実に努めるとともに、サービス提供体制の確保に努めます。

○障害者総合支援法に基づき、障がいのある人の在宅生活への移行等を更に促進していくため、自立生活及び地域生活を支援する福祉サービスの充実を図ります。

〇障がいのある人の積極的な地域生活への移行を促進する観点から、宿泊型を含む自立訓練(機能訓練・生活訓練)サービス、共同生活援助サービス等を含め、関係機関との連携・調整によりサービス基盤の整備を促進するとともに、サービスの質の向上に向けた取り組みを進めます。

○障がいのある人の在宅生活を支援し、社会的な自立を促していくため、地域生活支援事業の充実に努めます。

≪重点施策≫

○市内の各法人に対するサービス提供基盤の整備促進と質の向上

○相談支援体制の充実

○地域生活支援事業の充実

〇地域移行に向けての社会資源の開発

〇施設入所支援及びショートステイの増床と利便性の向上への取り組み

〇日中一時支援事業の充実

(2)相談支援体制の拡充

【現状と課題】

〇関係機関や医療機関を含めた担当者会議やケア会議を個別に随時開催しています。平成25年度から自立支援協議会に相談支援部会を設置し、支援体制の構築に向けて取り組んでいます。また、八重山圏域相談支援事業者等連絡会議を開催していますが、定期開催に向けた取り組みが必要となっています。

〇委託相談支援事業所2か所で指定相談を実施していますが、相談支援員の不足等から新規相談等に十分に対応できない等の課題があります。

〇基幹相談支援センターを平成26年4月に設置していますが、体制整備が不十分のため、その機能を十分に発揮できていない状況にあります。

〇平成25年度に沖縄県緊急雇用創出事業臨時特例補助金を活用した相談支援専門員育成事業(7相談支援事業所に委託)を実施していますが、その他各種研修が未実施であり、十分な人材確保にまでつながっていない状況となっています。

【市民の声】

〇安心して相談ができ、窓口として気楽に相談ができる方を配置し、アドバイスをしながら受け入れてくれるような連携と窓口が必要。

〇現在の福祉サービスがどんな種類があるのかわからないし、実際に使いたいと思っても、どのように利用して良いかわからないが、相談にいく場所がない状況がある。

〇今年障がい者になりましたが、こちらから聞かないとサービスの有無内容がわからない。まだ知らないが受けられるサービスがあるかも、と思う。相談すればいいのかもしれませんが、どのタイミングでどのように相談したらよいか、つかめていません。

≪施策の方針≫

障がいのある人の社会的活動や質の高い自立生活の継続を支援するため、教育、福祉や保健・医療から就労支援など、多様な分野にわたる問題点や課題等に対し、適切に対応することができる専門性の高い相談支援体制の充実を図るとともに、相談先やその利用に対する周知活動の充実に努めます。

○障がいのある人が、相談できる場所が分からず、利用可能な福祉サービスや支援施策を利用できない状況にならないよう、身近に利用できる相談窓口や相談内容についての周知活動の徹底とわかりやすい情報提供の仕組みづくりに努めます。

○障がいのある人やその家族が抱える様々な相談ニーズに応じて、的確な相談支援が行えるよう、指定相談支援事業所、関係機関及び自立支援協議会の相談支援部会等と連携し専門性を重視した相談支援体制の充実に努めます。

≪重点施策≫

○相談窓口、相談内容等の周知活動の推進

○専門性の高い相談支援体制の構築

○専門職の配置

〇基幹相談支援センターの機能強化

〇委託相談支援事業所の拡充

(3)福祉人材の育成・確保

【現状と課題】

〇市では、障がいのある方々の個別ニーズに応じ、利用者本位のサービスを提供することや個別に抱える生活課題や問題に専門的に対応することができるように、障がい福祉課においては、保健師、社会福祉士、精神保健福祉士を配置するとともに、委託相談支援事業所には、社会福祉士や精神保健福祉士等の専門職員を配置していますが、臨床心理士などの配置が未整備となっています。

〇社協においてボランティア団体への活動助成金の交付による支援を行っています。ボランティア人材の養成が課題となっています。

〇事業ニーズが増大するなかで、居宅支援事業所のヘルパー等、全体的にマンパワーが不足している状況にあり、その担い手の確保が課題となっています。

【市民の声】

〇心理士をおいて欲しい。本人の話を聞いてくれる人が必要。大人になると、とたんにカウンセリングを受ける機会が減るため。

〇施設入所していても介助者を確保し、もっと自由に好きな時に外出したい。

〇福祉の仕事に携わる人の中にも、障がい者への理解や配慮がない人がいる。

〇役所との色んな手続きや申請等で、相談事業所の方や第三者が代理人として行えるようになれると気持ちが楽になれる気がします。

≪施策の方針≫

障がいのある人の人権と権利を尊重し、利用者本位の福祉サービスを提供していくためには、それらに専門的に携わる知識と資質を高めた人材の育成が必要不可欠です。

そのため、サービス技術の向上や障がい者支援に対する正しい知識を深めていくことができるように、関係機関との連携による研修会、セミナー等を開催するなど、さらなる資質の向上と人材の確保に向けた取り組みを進めます。

また、社協や関係機関と連携により障がいのある人の積極的な社会参加や日常生活等をサポートするボランティア人材を養成し活用する仕組みづくりに取り組みます。

〇障害種別や状況に応じた適切な支援を行うため、臨床心理士など専門職の配置に努めます。

〇事業者や関係機関と連携して、福祉人材の確保と資質の向上に取り組みます。

○障がいのある人を社会全体で支えていくことができるよう、地域ボランティア団体等の育成や活動を支援します。

≪重点施策≫

〇専門職の配置

○障がい者のニーズに応じた福祉人材の確保

〇障がい者の社会活動を支援するボランティアの育成と活動支援

(4)経済的支援の推進

【現状と課題】

〇児童福祉手当、特別障害者手当、自立支援医療費、重度心身障害者(児)医療費助成、特別児童扶養手当等の周知や適正な支給及び給付等を実施しています。

〇アンケート調査から、生活するために必要な支援は、「経済的な負担の軽減」が52.9%で最も高くなっています。

〇難病患者等に係る航空運賃の一部助成金交付事業(本市以外での通院治療を必要とする場合のみ対象)は平成24年度より実施しています。

【市民の声】

〇医療費の負担が大きい。安くなる制度があればよい。

〇離島なのだから飛行機も電車やバスと同じように半額にするべき、もっと安くしてほしい。

≪施策の方針≫

障がいのある人の経済的な負担を軽減していくため、各種制度の周知並びに既存の各種手当、助成制度の経済支援を継続して実施します。

また、受給対象となる方が適正な受給や給付を受けることができる周知活動の一層の充実を図るとともに、給付や受給に関わる説明を丁寧にわかりやすく伝えるための工夫に努めます。

≪重点施策≫

○各種手当や自立支援医療の周知

〇重度心身障害者(児)医療費の助成制度の周知

基本施策2 住まいの確保

(1)障害に配慮した住宅の確保

【現状と課題】

〇グループホームの量的確保を図るため、建替えを予定している公営住宅に整備を検討、調整中です。

〇障がいのある人の住宅確保を支援する観点から、社協に委託し、住宅入居等支援事業を実施しており、民間との協力体制も徐々に出来てきているが、多様化するニーズに対応できる専門員の確保や事業の周知活動が課題となっております。

【市民の声】

〇グループホームから事業所に通うことが実現しない限り、親亡き後の不安は無くなりません。親が居なくても生活が変わらないように、グループホームを整備してもらいたい。

〇将来的に子どもが自立できるのがベストですが、そうでない場合、グループホームなどで生活できるよう受け入れの枠を確保できればと思います。

≪施策の方針≫

1)住環境の整備

障がいのある人が、住み慣れた地域のなかで自立した生活を営むことを支援していくため生活の拠点である住宅の確保やその環境整備に向けた取り組みを進めます。

○住環境の整備については、障がいのある人に配慮した市営住宅の整備を推進します。

○すべての人にやさしい住宅となるようユニバーサルデザインの視点に立った、住宅整備の普及を促します。

2)在宅生活に資するグループホームの整備

○グループホームについては、民間及び公営住宅における場を確保するための調整を行うとともに、民間活力を活用した整備を促進します。

3) 障がいのある人の民間住宅への入居支援

○障がいのある人が、民間住宅への入居に対し住宅入居等支援事業を通した支援を行います。

≪重点施策≫

○障害に配慮した住宅の確保

○バリアフリー住宅の整備促進

○住宅改修の助成制度の充実

○民間活力を活かしたグループホームの整備充実の促進

○民間賃貸住宅等への入居支援

基本施策3 福祉施設等の整備促進

(1)福祉サービス施設等の整備促進

【現状と課題】

〇入所施設が常に満床で、待機者の解消が課題となっています。また、地域移行の受け皿として自立訓練サービスやグループホームが不足している状況です。

【市民の声】

〇「親亡き後の生活」今、高齢になった親の一番の課題です。入所施設の増床、グループホーム等の増床援助を切望します。

〇私が年老いて介護される身体になった場合は、親子別々の施設を利用するのではなく、残りの人生を親子一緒に暮らせる施設があったらいいなと思います。

〇もし介護する人の調子が悪い時、すぐ頭に浮かぶのは泊めてくれる施設をすぐ探せないことです。

≪施策の方針≫

障がいのある人が、障害の状況に応じて適切な施設サービスを利用し、自立した生活や地域生活への移行を促進していくため、身近な地域において個々のニーズに応じた施設サービス基盤の充実に向けた取り組みを促進します。

○福祉施設等における介護や、自立訓練及び就労支援を行う日中活動系サービスと、施設入所等の居住系サービスの円滑な提供に向けた基盤整備を促進します。

○施設入所が必要な障がいのある人に対し、施設利用に対する支援の充実に努めるとともに、入所者の地域生活へ移行しやすい環境づくりに努めます。

〇介護者や保護者の休養、緊急一時的な保護のために利用できるショートステイ等の整備促進を図ります。

≪重点施策≫

○施設入所に対する支援

〇障がい児が利用できる短期入所施設等の整備促進

○サービス提供基盤の整備促進

○地域生活への移行につながる受け皿づくり

(2)既存福祉施設の機能拡充と利用負担軽減

【現状と課題】

〇中央運動公園施設の無料化を実施していますが、健康福祉センターなど他の公共施設における利用負担軽減が不十分であるため、公共施設に対する統一した利用基準の設定が必要となっています。

〇障がいのある人が、気軽に施設を利用し、スポーツやレクリエーションに親しむことができるよう、また、生涯学習や憩いの場として活用できるように、すべての公共施設や福祉施設等のバリアフリー化や障害の特性に応じた機能の拡充が求められています。

【市民の声】

〇石垣市のスポーツ施設の使用料が免除になりましたが、健康福祉センタートレーニングルームでは今だに障害者手帳による割引などができません。

≪施策の方針≫

障がいのある人や高齢者等が、利用しやすく、利便性を高めていくための施設機能の充実や施設利用に対する負担軽減を図る取り組みを進めます。

≪重点施策≫

○既存福祉施設等の機能拡充に向けた改修等の実施

〇公共施設利用に対する統一した利用基準の設定

この記事に関するお問い合わせ先

福祉部 障がい福祉課 障がい福祉係
〒907-8501 沖縄県石垣市字真栄里672番地
電話番号:0980-82-9947

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